拾壱 ページ11
温泉自体にそれほど変わったところはなかった。
何台かついているシャワーに掛け湯をする場所。
どーんと広がる大浴場。
外に露天風呂もついている。
『こんな感じ。慣れたら掃除頼むと思う』
ほんほんと首だけで頷きながら辺りを見回した。
入る分には大きくていいお風呂だなと思ってたけど
掃除するとなると結構キツそう。
しかも1人でなら尚更。
『靴下脱いで』
｢え？｣
『露天風呂。見れへんやろ』
言いながらぱっぱと靴下を脱いで温泉の中に。
あたしはもう戸惑うのをやめて忠実について行くのみだ。
暖かいお湯を足先に感じながら滑らないように
彼の後ろを追いかける。
ガラ、と重い音を立てて空いた扉の向こうに、
真っ赤な世界が広がっていた。
｢おぉ…｣
あまりにも真っ赤だった。
だけどそれでいて恐怖は感じない。
咲き誇る花が露天風呂の周囲を囲み、自分たちの美しさを
見せつけるように高くその茎を伸ばしている。
『一応うちの名物。曼珠沙華の風呂』
｢外にもたくさん咲いてたね、でも彼岸花って
大体すぐ枯れるイメージだけど…｣
彼岸の頃に咲く赤い花。
気づけば咲いていて気づけばなくなっている。
あたしの中のヒガンバナはそんなに印象強く
残るものではなかった。
今は満開でももう少し経てば全て枯れてしまうのだろうか。
そうしたら外観もこの名物もえらく廃れたように
見えてしまう気がするが…
望くんの方を見ると、彼は首を振っていた。
『ここには季節の概念はない』
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はのん(プロフ) - カジャさん» すごいです！1話でもめっちゃ嬉しくて興奮してしまいました！！ありがとうございます！！！ (2022年10月4日 21時) (
レス) @page50 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 全く考えていなかったため、このように1話のみとなってしまいましたが…リクエスト、ありがとうございました。 (2022年10月4日 15時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - そんな風に言っていただいて嬉しいです！望くんと濱ちゃんのその後を書いて欲しいです！ (2022年10月3日 18時) (レス) id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
カジャ(プロフ) - はのんさん» 応援ありがとうございました。はのん様の言葉がとても力になりました。その後、というのは望くんサイドでしょうか？それとも夢主と流星とのお話でしょうか？ (2022年10月3日 14時) (レス) id: c91b141c55 (このIDを非表示/違反報告)
はのん(プロフ) - 全部読ませていただきました！終わってしまって寂しいです。もしよければ、その後どうなったかのおまけ的なの書いてほしいくらいです！ (2022年10月2日 21時) (レス) @page49 id: eb6042d99a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カジャ
| 作成日時：2022年9月11日 21時
