Password ページ5
◇◆
呼び出されたから来たら、何故かベルに睨まれた。
今の登場の仕方、そんなに空気読めない系ウーマンだったの?
いえ、それより。
「ベルちゃん、資料はあるかしら」
私はまだ、この少女を誘拐してきた理由も聞いていない。
ベルから聞いたのは、才能ある幼女を誘拐したから育ててね☆ という難易度の高い任務だけだった。
……あ、あと、報酬の弾み具合も聞いたけれど。
ともかくまず、誘拐は突然決まったのか計画的だったのかを知りたい。この子の資料があるか否か、あった場合はその量を知るだけでも絞り出せる情報は意外とある。
「あるわよ」
ベルちゃんは明らかにブランド物の黒いトートバッグからUSBメモリを取り出した。
「あら、ここまでする程重要なデータなの?」
受け取りながら疑問を呈す。
「どんなに若くても女には秘密が必要よ」
雑なはぐらかしをされた。
パソコン等を使って紙にまとめたか、いっそ手書きという予想は外れた。
どうやら、パソコンでまとめた情報をこのメモリにコピーし、その後パソコンのデータのみ完全削除したらしい。
紙に印刷するのと比べると手間は五十歩百歩だが、見たところそれなりに値の張るUSBメモリだ。
印刷ならそれ程お金を掛けずに済むのに、何故。
まぁ確かに、紙の方がかさばる分情報は漏れやすくなるけれど、どこの世界に幼女(可愛い)の身辺情報を欲しがる変態が居ると言うのか。
.
「(いや、探せば沢山見つかるか)」
世の中には、意外と人には言えないような性癖を持つ人で溢れかえっている。
それにこの少女、可愛い。凄く可愛い。
閑話休題。
私は女子大生風の恰好を装う為に背負っていた━━というのは半分建前で、可愛くて買った━━白を基調とするキャラクターもののリュックサックを下ろした。
最新のノートパソコンを取り出すと、私は右膝を立て左膝を床についた。
そして、右膝から太股にかけてを机代わりにしパソコンを置き、あるページにログインする事にした。
「『 てってけてけてんっ 』 ──と!」
ログインに必要なパスワードを呟きながら入力すると、ベルちゃんが呆れた顔をした。
「貴方、まだそれをパスワードにしてるの?」
気にせずパソコンの左に先程彼女から貰った紫色のUSBメモリをぶっ刺す。
このパソコンに見られて困る内容なんて一つも無いから大丈夫だよと答えながら。
USBメモリに内蔵されたデータが私のパソコンに映し出されていく。
……あら?
これって、ジンの…………………………?
I wanted to became a high school girl.→←vermouth…… “ chan ” ??
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Maho(プロフ) - 途中までですが、読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年7月21日 17時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
癒純(プロフ) - めあさん» 嬉しいです! ご指摘ありがとうございます、全然気づいていませんでした笑 文字化けみたいな感じの事が起きていたみたいです、修正しました! (2018年5月4日 11時) (レス) id: 32471a5b5b (このIDを非表示/違反報告)
めあ - とても面白いです!一つ気になったのですが、ときどき入る『う』の濁点2つは、なんなんでしょうか…?更新待ってます。 (2018年4月21日 9時) (レス) id: 463c5ba869 (このIDを非表示/違反報告)
癒純(プロフ) - ーさん» 大丈夫ですよ! ありがとうございます!! すごいがんばれます! (2018年1月17日 20時) (レス) id: da9e5193a1 (このIDを非表示/違反報告)
ー - いえ全然!ただ単に気になっただけです!こちらこそ勘違いしてすみません!更新頑張ってください! (2018年1月17日 18時) (レス) id: 4478221eaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:癒純 | 作成日時:2018年1月15日 2時