検索窓
今日:3 hit、昨日:11 hit、合計:68,795 hit

vermouth…… “ chan ” ?? ページ4

名乗ったら簡単に教えてくれた。

名前を知ったら知らない人ではないのね……。
六歳児の思考回路は私には理解できそうもない。



「ねぇ、ベルモットちゃん」
少女らしい綺麗な声で話しかけられた。

ベルモットちゃん?!

思わず、組織内で唯一私をちゃんづけするアマレットを思い出す。
この子、アマレットに少し似ているところがあるのかもしれない。
私が驚いている事に気づいたのか、白崎 遥歌は首を傾げた。


「まきちゃんはまきちゃん、りこちゃんはりっちゃん、ゆいちゃんもゆっちゃん」
だから、ベルモットちゃんはベルモットちゃんでしょ?
白崎 遥歌がそう言った。
子供の考え方ってやっぱりわからない。

「そ……そうね…………?」
わからないけれど、とりあえず頷いておく。
白崎 遥歌が満足気な顔をした。



「うん。……ベルモットちゃんは」

い、違和感しかない……。
と思いつつ一度止めた話をまた止めるのも忍びなくて黙る。






「はるからなにをうばうの?」

変わらず少女らしく綺麗で、けれど暗い洞窟のように冷えきった、感情を一切感じさせないような声だった。


今までのような悲痛な顔ではない。
何より、彼女の涙はとっくに乾いていた。









あぁ、私はこの子の人生をもう狂わせかけているのだと、今更気づいて泣きたくなった。









.









.









「おっ待たせー!! ──って、あれ、随分しんみりしているのね……………………?」
空気を読まない、天上知らずの明るい声がした。


貴方こそ随分テンション高いじゃない。

扉の近くに居た私は、勢いよくぶつかってきた鉄の扉とアマレットをキツく睨みながら、そう答えた。

Password→←bad to meet you.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
142人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Maho(プロフ) - 途中までですが、読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年7月21日 17時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
癒純(プロフ) - めあさん» 嬉しいです! ご指摘ありがとうございます、全然気づいていませんでした笑 文字化けみたいな感じの事が起きていたみたいです、修正しました! (2018年5月4日 11時) (レス) id: 32471a5b5b (このIDを非表示/違反報告)
めあ - とても面白いです!一つ気になったのですが、ときどき入る『う』の濁点2つは、なんなんでしょうか…?更新待ってます。 (2018年4月21日 9時) (レス) id: 463c5ba869 (このIDを非表示/違反報告)
癒純(プロフ) - ーさん» 大丈夫ですよ! ありがとうございます!! すごいがんばれます! (2018年1月17日 20時) (レス) id: da9e5193a1 (このIDを非表示/違反報告)
- いえ全然!ただ単に気になっただけです!こちらこそ勘違いしてすみません!更新頑張ってください! (2018年1月17日 18時) (レス) id: 4478221eaa (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:癒純 | 作成日時:2018年1月15日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。