黒の組織で何が悪い？【名探偵コナン】

Worry!? ページ26

.



「それは、何にかしら」
疑問が浮かび、訊ねる。

『感情を抑える事に、だ。
君の事だから、相手に合わせているんだろう』
見透かしたような、まるで決めつけるわね。
秀一の言い方に思わず微笑む。

「抑えていると言う程ではないと思うわ。
相手が私にどう対応してほしいのか、私は私の意思とそれに反しない程度に動いているだけ」
要は妥協点を探している。
相手と私の両方が満足出来る結果を。
例えばベルちゃんがりんごを食べたがって、私は梨が食べたかった。
それならりんごも意外と良いのではないか？ と検討し直すだけ。
それでも梨が良かったら、両方選べば良い。
もしくは愛嬌のある頼み方で梨に強行突破する。
上手な方法を使えば、自分の望み通りに相手を動かせる上、相手の好感度もあげられる。
時と場合とタイミングで使い分けて、良好な関係を築いていく。



『･･････それで、とびきりハメを外す事はできるのか』
純粋に不思議がっている声だろう。
私も秀一の質問が少し不思議だが。

「相手の意思をガン無視して自分のやりたい事を突き通せるのか、という事かしら」

『そうだ』

「あら、そんな事しないわ。
自己中心的な人間になってしまうでしょう？」
私は自分が我儘だと自負している。
けれど、我儘の使い所は弁えているつもりだ。


『…………確かにそうだが。たまには良いだろう。

他人の顔色ばかりを窺うのは、楽しいのか？』

日本人ってそういうものよ。
適当な言葉を返す。顔色ばかりのつもりは無いし、楽しい楽しくないでやるものではないだろう。
他人相手なら社交辞令のようなもので、友人相手なら友人に気遣いたいというのは人の性だろう。

『君はアメリカ人だろう』
マジレス！ すると思った！！
くっ、この三十路！！(まだ違う)

それはさておき、秀一は私に何を伝えたいのだろう。
やりたい事はやりたいようにやれと言いたいのかしら。
嫌いな人には嫌いと言って縁を切れって事？
残念ながら、ジンとはまだ切れないわよ(冗談)。



「先の事を見通した行動というのは人間関係に限らないわ。
夏休みの宿題を最初にやるか最後にやるか悩んだとしたら、今後を考えて初日にパパッと終わらせる、とかみたいな話よ」
話し始めておいて申し訳ないがうまく言えそうにないので雑な説明で切り上げる。


『そうか。………………苦しくないなら良い』
秀一がホッと安心したように息をついた。









.









は？？？


え、あら。


「心配してくれていたの！？？！！」

赤井秀一にも、そんな感情あるのね。

good information→←…………Why?

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す