黒の組織で何が悪い？【名探偵コナン】

What did dye I my hand? ページ17

◇◆


降谷零、秀一、スコッチ。
先程の三人を思い起こす。
降谷零は原作六年前な事もあり、漫画よりずっと童顔だった。海外生活が長い秀一には中学生に見られたんじゃなかろうか。
逆に、降谷零からして見れば、秀一はとっくに三十路に見えたかもしれない。

……あ、あとスコッチの名前聞いておけば良かった。
原作で公開されていないし。
ファンの間では、彼の中の人とその声優が昔担当したキャラにちなんで『緑川 唯』ではないかという説があったけれど、どうなのだろうか。



私はしろちゃんの手を強く握り直した。
何にせよ、私はこの子を闇へと引きずり込む。
降谷零率いる(かは知らないが)正義の派遣組(適当)にしろちゃんを引き渡す事もできなかった。
それを考えすらしなかった。
まぁ本当に引き渡せば、しろちゃんはFBIのもと証人保護プログラムでも適応されるかもしれないが、あの三人は死ぬ。あと私も。
上手くやれば私は逃げられるだろうけれど、まだ彼等は組織からの信用が薄い。
ジンは即刻銃殺しようとするだろうし、もし全員生き延びられたとしても組織壊滅は遅れる一方。
バッドエンドしか道は無い。







とにかく、しろちゃんをできる限り組織に関わらせないようにしよう。
日本で家族と本名を使って生活できない事と基本毎日情報処理や研究を習い、たまに護身術も習う事以外は普通の少女として──


全然普通な感じがしない。

けれど、情報処理と研究は組織命令。
護身術はアメリカで生活し、更に組織の一員となるなら絶対必要。
研究者とはいえ、この世界では何があるかわからないのだから。









「しろちゃん、一緒に頑張ろうか」

「？ うん！」

アメリカに行くなら、私もやりたい事がある。
人生を六年も無駄にした、これからはやりたい事を優先しよう。

組織に入ってからの事全てが無駄とは言わない。
組織に入って得た技術も知識も考え方も人脈もある。
けれど、入って良かったとは一度も思わない。
あれば便利だけれど、無くたって生きていける技術だ。
組織になんか、入りたくはなかった。
誘拐された時は、何処か他人事で。今までもそう。
三流映画を見ている方が、よっぽど感情移入できた。




助けての言い方も、助けを求める方法も、前世でも今生でも、結局知らないまま。

だから、しろちゃんにも上手く教えられないかもしれない。









.









ねぇ

自分の手を血に染め、他人の手も黒く染める事なんか、したくなかったよ。


なんて、今更くだらない。

She can speak English and Japanese too.　but, She is anxious to speak German.→←Zero is all the beginning.

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