手下との日常…？ (ページ9)

今日:1 hit、昨日:22 hit、合計:78,371 hit

お見通しページ9

ジャ「A。あとで僕の部屋に来て。」

A『…はい』

ジャックは私の返事を聞いて、無表情で部屋に戻って行った。

あぁ…これは怒られるやつだ。理由は明白。
私が今日のリクルーティングの時、派手に転んでジャックにぶつかるというドジをしてしまったのだ。

自分で言うのもなんだが、私が失敗するのは珍しいと思うし、ほかの皆も慰めてくれた。

ゲストさん達も、盛り上がってはくれたし…
恥ずかしかったけど。

でも、ヴィランズ界一のエンターテイナーであるジャックからしたら…
ステージをめちゃくちゃにしてしまったことは許せないのだろう。

ファ「Aは悪ないで！なんか言われたら、言い返してやり！」

ヴェ「そうですわ…あまり気を落とさないで…」

A「大丈夫です…！私の失敗なので…」

ジャックって、無表情になると怖いんだよなぁ…
覚悟を決めて、ジャックの部屋のドアを開ける。

ジャ「あ、来た。そこ座って？」

A『はい…』

うぅ…めっちゃ怖いのですが…
素直に椅子に座ると、表情を変えずにジャックが私の前に立つ。

A『ごめん、今日のリクルーティンg…ジャ「怪我、見せてよ。」…へ？』

え、転んだことで怒ってるんじゃないの？
それに、自分でも気づかなかった怪我なのに…よく見つけたな…

ジャ「僕、そんなに心狭くないよ…？それより早く！後になったら大変だよ」

A『うん…ありがとう。だけど、そんなのリビングでも出来たのに。』

そう不思議に思い、手当てをしてくれているジャックを見ると、彼は少し顔を赤く染めていて、

ジャ「僕が…手当てしたかったんだ。それに…」

急に手を引かれ、ジャックとの距離が近くなる。

ジャ「自然に2人きりになれるチャンスだったし？」

そう言ってニヤッと笑ったジャックはもういつもの調子に戻っていた。

A『馬鹿なこと言わないでよ！もう…ほんとに怒らせたと思ったのに。』

ジャ「あはは！怖かった？ビクビクしてるAも可愛かったよ～！」

A『もう！ジャックなんか知らない！』

それから少しの間、口を聞いてやらなかった。
でも、怪我に気づいてくれたのは嬉しかったな。

ありがとう、ジャック。