小さな結婚式3 ページ9
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ゆっくりと歩き、彼の横に立つと向かい合う姿になる。すると彼は顔を隠しているベールを捲った。クリアになった視界に、胸に金色の紋章をつけた礼服に見を包み、帽子を被った彼が映る。その姿に思わず見惚れてしまった。
「少し下向いて」
彼の指示にハッとして、言われたとおりに軽く下を向くと、彼が手にしたティアラを頭に乗せられた。
「ずっと、結婚式挙げられなかったからちょっと驚かせたくて、一と環奈でこっそり準備してたんだ」
『…っ…』
「ママ!とっても綺麗!」
「お母さん、綺麗だよ。お父さんとずっと仲良しでいてね」
『零さん、一、環奈もありがとう…すごく嬉しい』
「莉子、綺麗だよ」
最彼にも綺麗だと言われ、肩に手を乗せられたらと思ったら軽く口づけをされた。唇が離され見つめ合うと互いに照れ臭そうに微笑む。
「ママ、ドレスとティアラね、環奈選んだの!」
『え、環奈がドレスとティアラ選んでくれたの?』
「ママをお姫様にするって、予定してなかったティアラを環奈が選んでな。おかげで結婚式というより戴冠式みたいになってしまった」
『ううん、素敵な結婚式だった…それにしても零さんの服どうしたんですか?』
「これも予定してなかったんたが、風見の粋な計らいで上に申請して借りてきてくれたんだ。しかし礼服はどうも堅苦しいな」
『そんなこと無い。とっても格好いいです』
「うん!パパかっこいい!本当の王子様みたい!環奈大きくなったらパパと結婚したい!」
「大きくなったらな」
「パパ約束ね!!」
「ああ」
「うふふ。ママ、これあげる」
『え、これはママ?』
「そう!お姫様になったママ描いたの」
「ありがとう環奈。大切にするね」
「一は約束しなくていいのか?ずっと考えてたんだろう?」
「うん…俺ね、大きくなったらお父さんみたいな立派な警察官になって、お母さんと環奈を守る」
『お父さんにそっくり…二人とも生まれてきてくれてありがとう』
環奈から貰った絵には、白いドレスに頭にはティアラが乗せられた自分か描かれていた。今日の自分を想像して書いてくれたと思うと胸が熱くなる。そして一の言葉にも胸が締め付けられた。
「パパ!またちゅーして!」
環奈のお願いを聞いた彼は、自分を横抱きをすると少し長めのキスをしてきた。
素敵な夫に可愛い子供達。こんな幸せでいいんだろうか。
我慢していた涙が溢れた。
end.
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警察官が結婚式で着る礼服、素敵ですよね!
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作者名:ゆきだるま | 作成日時:2018年6月26日 22時