小さな結婚式1 ページ7
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-降谷零 side-
「環奈、王子様と結婚する!結婚式もする!」
『大きくなったらね』
「結婚したら赤ちゃんできる?」
『そうだねぇ』
絵本を読ませていた莉子が、環奈から質問攻めに合っている。《結婚したら生まれるの?》という純粋な質問に思わず笑みが溢れる。環奈が知るのは10年くらい先だろうか。
結婚式という言葉を聞いて、やはり挙げたほうが良かったのかと今更ながら考えていた。自分の立場のこともあり結婚式は挙げなかったのだが、女性にとっては人生最大のイベントである。
結婚をして早くも9年経った。仕事もトリプルフェイスを使い分けていた頃に比べればずっと落ち着いている。
大々的な式とまではいかなくても、家族のみで小さな結婚式を挙げるのも悪くないと思い、タブレットを手にするなり色々調べ始めた。
莉子が夕食を作っている時に、自分達の寝室に二人を呼び結婚式の話をした。
「実はな、お父さん達結婚式を挙げてないんだ」
「じゃあ、ママどうやって赤ちゃんできたの?」
「大きくなったら分かるよ。それで、お母さんに内緒で結婚式をしてあげたくて、一緒に準備手伝ってくれないか?」
「うん!!する!」
「俺達は何すればいいの?」
「内緒にするのはもちろん、今度会場に一緒に行ってお母さんのウェディングドレスとか、自分たちが着る服を選んでもらいたい」
「ウェディングドレス!?ママお姫様?!」
「そうだな。その時はお母さんお姫様になるんだよ」
「パパは王子様!?」
「うん、そういうことになるな」
「わあああ、すごーい!環奈も可愛い服着れる?」
「環奈も可愛い服選ぼうな」
次の休日、莉子には内緒で電話予約していたブライダル会場へ三人で足を運んだ。やや興奮気味の環奈を抑えながら、その日のプランや、衣装などを決めていった。
「環奈はしゃぎすぎ」
「だってお兄ちゃん!ママお姫様なるんだよ!環奈も可愛いドレス着れる!とっても嬉しい!」
「環奈、お母さんには言うなよ」
「ふふふ。はぁい、パパ!」
帰り道、車の中で一がはしゃいでいた環奈を注意している。一はきっと言わないだろうが、今の環奈をみると、うっかり口を滑らさないか少し心配になる。
自分からも再度注意喚起をしてから自宅へと戻った。
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今回は結婚式のお話です。
短編ではなく中編になるかも…
何かこんな話が読みたいなどリクエストがありましたら教えてください!
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作者名:ゆきだるま | 作成日時:2018年6月26日 22時