授業参観2 ページ5
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-降谷一 side-
今日は、休日だが授業参観があるためいつも通りに起きて学校へ行く準備をしていた。
「今日、お母さんくる？」
『うん、お母さん行くよ。作文楽しみにしてるね』
お母さんが来てくれることに安心するが、本当はお父さんに来てもらい聞いてもらいたかった。
昨日、友達に《お父さんがいるの嘘だろ》と言われてしまった。嘘ではないと伝えるが信じてもらえない。
その友達にわかってもらうためにはお父さんに来てもらうのが一番なのだが、仕事で忙しいことはわかっているため、我儘など言えない。
そんな思いのまま学校へ来て、午後授業参観が始まった。
ちらちら後ろを見るがお母さんが来ていない。妹の環奈が生まれてから忙しくなったお母さん。約束を破ったことは一度もない為、環奈に何かあったのかもしれないという不安が過る。
20分ほど経ち、自分の順番がきて起立するとやや小さな声で発表を始めた。
その時、ドアが開く音がして、発表するのを一度やめて後ろを振り向くとそお父さんが入ってくるのがわかった。驚きと嬉しさなど、色々な感情が混ざるが気持ちを切り替えて、今度は大きな声で発表する。
〈お父さんの自慢
僕のお父さんは警察官です。忙しくて、帰る時間も遅いし、なかなか一緒にいれません。でも、とても優しいし、とてもかっこいいし、強いです。お休みの時は、とても美味しいご飯を作ってくれるし、ギターも教えてくれます。僕はそんなお父さんが大好きです！！〉
発表を終え、着席すると皆が拍手をしてくれる。少し誇らしく感じながら授業参観を終えた。
「お父さん！！」
「遅くなってごめん。上手に発表出来てたよ」
帰りの会を終えて廊下で待っていたお父さんの所へ駆け寄ると、しゃがみこむなり頭を撫でて褒めてくれた。とてもうれしくて満面の笑みを浮かべる。
お父さんと話していたら昨日、言い争いをした友達がやってきた。
「一、昨日あんな事いってごめん」
「いいんだ！裕太にわかってもらえただけで俺嬉しいから」
何かと思ったが、昨日のことを謝りにきたようだった。お父さんがきてくれただけで嬉しかったし、きちんとわかって貰えたからもう気にしない。
僕には自慢のお父さんがいるってわかって貰えた、それで十分だった。
「友達と仲直りしたのか？」
「え、なんでお父さん知ってるの？」
「お母さんから聞いた」
「もう、言わないでって言ったのに」
end.
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作者名：ゆきだるま | 作成日時：2018年6月26日 22時
