【降谷零】走り屋なんて嫌いです - 短編 - (ページ2)

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妊娠発覚1 ページ2

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最近、情緒不安定で些細なことに苛立ちを感じてしまったり、眠気がずっと続いたりしてしていた。今までこんな事は一度も無かった。自分が、誰か違う人になっていくみたいで強い不安に襲われる。

そして、今日も一人で怒り、彼を困らせてしまった。

その理由は、久しぶりに帰ってきたと思ったら、事件のため招集がかかり職場に戻ると言ったためだ。

「莉子。事件があったみたいでまた本庁に行ってくる」

『え、また？！さっき久しぶりに帰ってきたばかりなのに』

「悪い、でも行かなきゃならないんだ」

『…………いつも仕事仕事！昔から零さんはいつも仕事ばっかり！私だって話したいことたくさんあるし、相談したいことも「仕方ないだろ。急いでるから」』

彼は相当急いでいたのか、自分の話を遮り家を出ていってしまった。ドアの方を呆然と見つめる。彼だって行きたくて職場に戻ったわけではない。3日ぶりに帰ってきて、見るからに疲れた表情をしていた。

それなのに、自分の良くわからない苛立ちから彼を怒ってしまった。それを考えたら激しい後悔が襲う。

数日後、朝目覚めると同時に吐き気が襲い、慌ててお手洗いへ駆け込む。軽く吐いてスッキリした時に、予定日を過ぎても生理が来ていない事を思い出した。

(妊娠…？)

そんな考えが頭を過り、今日は、他の予定をキャンセルして婦人科へ行くことにした。

「おめでとうございます、妊娠8週目ですよ」

『8週目…』

婦人科の先生に妊娠を告げられる。やはり妊娠をしていたようだ。エコーと伴に説明をしてもらい、最後には心拍も確認する事ができた。

最後、心拍を聞いて、嬉しさがこみ上げるのがわかる。大好きな彼との子供だし、子供が欲しかったからこそ子作りもしていたのだが、いざ妊娠がわかると不安を抱かずにはいられない。

不安の一番の要因はやはり、苛立ちから彼に当たったこと。先生からの説明に妊娠初期には情緒不安定さ、吐き気、眠気、腹痛などの症状が出るときもあると言われた。情緒不安定な原因が特定されたのは良かったが彼には何と伝えよう。

病院から帰宅して、怠さからソファに横になるなり、エコー写真をぼーっと眺めながら考える。
妊娠初期症状で情緒不安定だったとはいえ、疲れている彼に苛立ちをぶつけてしまった事を許してくれなかったらどうしよう。

そんな不安に襲われながらそのままソファに横になり眠りについた。