【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ9)

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嘘発覚1 ページ9

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次の日、いつも通り仕事に勤しんでいた。彼が車を届けに来る予定時間は18時頃。それまで溜まっていた仕事を片付けていく。

17時を過ぎた時に仕事は一段落して休憩に入ろうと思った。作業場から出た時に、常連客で、以前結婚していて子供がいると嘘をついてしまった橘裕太がやってきた。

「おつかれ。莉子ちゃん、結婚してるって嘘だよね」

『橘さん…！嘘じゃないですよ』

「だって、あの眼鏡の男の子が毛利探偵事務所から出てきたの見たけど」

『それは…』

「それにあの男、恋人いないって話してたよ」

『……』

「って事は俺とツーリング行けるよね？」

『結婚してるのは嘘だけど、別に恋人いるので…』

「恋人って愛車のバイクでしょ？知ってる。恋人が愛車なんて…ふっ、…あははっ！いい年して変な冗談はやめて現実見ようよ。ていうか、そんな事を素で言える人はじめて見た。でも、そこが可愛いっていうか…とりあえずさ、ツーリング行こ！その《恋人》とさ。俺だったらその恋人よりも夢中にさせてあげられる自信あるけど」

タイミング悪く作業場には自分と橘が二人きり。恋人がいると言っても信じてもらえない。オマケに、恋人の一人がバイクと言うことを馬鹿にされた。そんな思考に引く人ももちろんいたが、ここまで言われるのは初めてで、悔しくて人であることを訴えた。

『恋人は、ちゃんと人です！！』

「へえ、ホントに？」

「ホントだけど？」

『あ…、安室さん！』

「アンタ、この間の偽旦那。ははっ、もう騙されないって」

「莉子おいで」

なかなか信じてもらえず、どうしようかと思ったが、その時付き合いを認める彼の声が後ろから聞こえた。慌てて振り向くとスーツ姿の彼が立っており、おいでと声をかけられ助けを求めるように駆け寄る。すると、腰に腕を回され彼の肩に顔が埋まった状態になった。

『っ！』

「それもハッタリだろ？いいよ別に嘘ってわかるから」

「なら教えてやろうか？」

「何を？」

「まずはここ。項と右肩に1個、下着のホックの後ろに並んで2個、それから、腰のここに1個ホクロあるんだよ」

何を話すかと思えば、自分の背後のホクロの位置について話し始めた。髪の毛を掻き分けられ、項を出してホクロの位置を人差し指で差させば、ホクロ同士を繋げるように指を動かし、最後は腰で止まった。

『安室さ…、ん！』

ゾクゾクした感覚と恥ずかしさでやめるように言おうと上を向いたら、キスをされて唇を塞がれてしまった。