【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ5)

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目覚め2 ページ5

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-降谷零 side-

今日はポアロのバイトと言うこともあり、珍しくゆっくり眠ることができた。莉子が寝返りを打ったことで目を覚まし、時計に視線を送れば6時前。もう少しゆっくりできそうだと思い目を瞑ろうとしたら莉子の肩が震えていた。莉子も目覚めて色々と情報整理をしているところなのだろう、そんなこともお構い無しにおはようと朝の挨拶をすると、挨拶するよりも先に自分を責めてきた。

(ほら、やっぱり)

昨日、抱きながら《目覚めたら自分を責める》と思った事が当たった。もっとからかいたくて言葉を続ける。そしたら《覚えていたかった》と言うので、意識がはっきりしている今、記憶を焼き付けてやろうと思い抱いた。

昨日はお酒の力も借りていたからか、驚くほど積極的だった。しかし、今の莉子はどうだ。《明るいから嫌だ》《見ないで》《変態》と恥ずかしがってばかり。どちらの莉子も魅力的で自分しか知らない姿。今後誰にも見せたくないし、見せることはないだろう。

行為が終わり、互いに触れ合いながら余韻に浸る。時計に視線を向けると7時を過ぎようとしていた。そろそろ準備をしようと、名残惜しいが莉子と離れてシャワーを済ま、莉子も浴びるだろうとシャワーを促した。

髪の毛をタオルで大雑把に拭きながら朝食の支度をする。今日は和食にしようとご飯を炊きつつ、味噌汁、焼き魚、おひたしなどを作る。あとはご飯が炊き上がるのと莉子が戻ってくるのを待つだけだ。その間に着替えを済ませる。

『わ、良い匂い…』

「ご飯炊けるまでもう少し時間かかるから準備してくるといい」

『はい、ありがとうございます』

ご飯が炊け、莉子の準備も終わったため、2人でのんびり朝食を食べている。

『すごく美味しいです』

「それはよかった」

『私もいつか零さんに食べてもらいたいから、料理頑張ってるんですよ』

「へえ。今から楽しみだな。そういえば今日、仕事午後からだよな？」

『そうですよ』

「もし良ければポアロで待ってるからお昼食べに来るといい」

『……！…いきます！』

「待ってるよ」

嬉しそうな表情でお昼を食べに来ると言ってくれた莉子。会いに来るのが《安室透》だが自分も嬉しく感じる。朝食を終えてそろそろ時間なので荷物を持ち玄関に行こうとしたら莉子も付いてきた。

『行ってらっしゃい』

「行ってくる」

莉子から見送りの言葉を受けて、バイト先のポアロへ向かった。