【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ33)

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帰宅2 ページ33

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寝室を出てから職場に連絡して急だが休ませてもらうようにお願いした。幸い今日は人手も多く仕事量もそこまで多くなかったため休ませてもらうことができた。

それから、冷たいタオルや、ホットタオル、飲み物、体温計、解熱剤などを持って再び寝室に戻った。
ホットタオルで体を拭いてから、額に冷たいタオルを乗せてあげる。

「莉子…、仕事は」

『休みました、誰かさんがこんな状態だから』

「気にしなくても…」

『気にしますよ！！！10日も帰って来なかったと思ったら大怪我してるし、熱出して倒れるし…』

「……」

『零さんは自分の事お粗末にしすぎです…』

「悪い…」

『ちゃんと水分取って、薬も飲んでくださいよ、何かあったら呼んでください、じゃあ…』

寝室を出てから、無事に帰ってきてくれた安心からソファに座り込み、膝を抱えながら静かに泣く。何となく彼に泣き顔を見られたくなくて、強がってしまった。

あんなに傷ついて、普段体調など崩さない彼が、そこまでして頑張ってくれたのに、心配と安心で彼に当たってしまった自分に後悔してしまう。

そう言えば《おかえり》と言っていなかった。彼が目覚めた時に、言ってあげよう。

お昼前に一度寝室に行ってみると、寝返りを打ったのか額のタオルがベッドに落ちていて、布団も乱れていた。

困ったような笑みを浮かべなから、額のタオルを再度濡らして額に乗せて布団も掛けなおしてあげる。

『零さん、お疲れ様』

「ん、…」

『ごめんなさい、起こしちゃいましたね…体調はどうですか？』

「だいぶ良い」

『よかった…零さん』

「ん？」

『おかえりなさい、さっき言いそびれちゃったから…』

「ありがとう………莉子は金曜日、休みだったよな。俺もその日午後には帰れるから、役所に行って婚姻届貰いに行こうか」

『…！…はい…』

布団を直したときに彼が目覚めてしまった。申し訳ないと思いながら、先程言えなかった挨拶をした。

それから彼が自分の頬に手を触れるなり、婚姻届のことを言ってくる。忘れていたが、サミット後に籍を入れる約束をしていた。

頬に添えられた手の甲に自分の手を重ねながら軽く微笑む。

『うん。でもまずは体調治さないとですよ』

「そうだな。悪い、もう少し寝てもいいか」

『もちろん、おやすみなさい…』