【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ4)

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目覚め1 ページ4

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早朝、目を覚した。意識がはっきりしてくるにつれて、頭痛に襲われる。この頭痛ははなんだろうか…考えを巡らせながら、昨日彼と共にbarへ行った事を思い出した。

(二日酔い…？それからどうしたんだっけ…)

そういえばここはどこだと視線を動かすと、目の前には静かに寝息を立てながら眠っている彼。ただでさえ童顔なのに、寝ている姿はもっと幼く見える。彼の寝顔は初めて見るなと思わず凝視してしまう。

(そっか、零さんのお家に泊まったんだった)

そして、お互いに服を身に付けて無いことに気づいた。その意味は直ぐにわかり、恥ずかしさから背中を向ける。自分が酔っているにも関わらず行為に及ぶなんてなんて人だ。その時後ろから静かに抱き締められた。

「おはよう」

『零さん！昨日、何して…』

「質の悪いカクテル飲んで酔って、家につれて帰ったら莉子から誘って来たんだろう」

『え、そんなこと』

「あったよ」

『ええ……えと、…』

「ふっ、半分本当で、半分嘘」

『零さんのバカ。酔ってる人襲うなんて！』

「襲うとか人聞きの悪い言い方……。莉子だって乗り気だっただろ」

『覚えてないですもん…』

「覚えてたかった？」

『当たり前です！』

「それなら…」

『わっ…！！』

そんなやり取りをしていたら彼が自分の上に乗ってきた。驚きから胸を押して抵抗したが、両手をベッドに押さえつけられる。

『朝からダメですって！』

「ちゃんと覚えておけよ」

抵抗も空しく、朝から行為に及んでしまった。

お互いに果ててから、ベッドに沈み込む。

目の前にいる彼が自分の頭や頬を撫でた。こちらも手を伸ばしてさらさらでさわり心地いい髪の毛を撫でた。彼とこんな朝早い時間に、ゆっくり触れあえている事に驚きつつ、幸せを感じていた。

「シャワー浴びてくる。まだ寝てていいから」

『あ、はい』

起き上がり、自分の唇にキスをしてから、シャワーへ向かった彼を見送り、時計を見れば7時前だった。随分と早い時間何だなと感じながら、自分もシャワーを浴びたいので彼が来たら自分も行こうと思い、重い体を起こして着替え等の準備をする。

早朝からあんな事をされて、頭に焼き付いてしまった。今も胸がドキドキしている。

今日の午後からの仕事はちゃんとやれるだろうか。