【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ24)

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彼の誕生日2 ページ24

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-降谷零 side-

9時前に公安の仕事が終わり、着替えをしてからそのままの莉子の家に向かった。引っ越しの手伝いをすると言っておきながらあれから一度も顔を見せていなかった。夜は組織に呼ばれているため行かなければならないが、日中は予定がなく、莉子も仕事は休みだと言っていたのを思い出し、伝えたい事や、手伝いのために家に向かった。

莉子から貰っていた鍵を使って家の中に入れば段ボールが幾つか積み重ねられており、少しずつだが進んでいることがわかった。リビングに入ると莉子が高校の卒業アルバムを眺めているのに気づいた。自分が来ても気付かないくらい集中して見ていたので、好きなものへの集中力は相変わらずだなと感じた。

声をかけると案の定驚かれ、その後言葉を幾つか交わしたときに隈の事を言われた。今日は1日徹夜しただけだが休めと言われて、莉子が一緒なら寝てやろうと思って《おいで》と誘うと顔を赤くしながら近寄ってくる。可愛らしい反応に思わず笑みが溢れる。

暫くして目覚めて、眠り足りないのだが先程よりはいくらか楽になった気がする。あくびを漏らしつつ莉子の引っ越しの手伝いをし始めたら、急に誕生日を祝われてプレゼントだろうか紙袋を渡された。誕生日を祝われるのは警察官になって依頼初めての事だったので、驚きと嬉しさと色々な感情に襲われる。

『生まれてきてくれてありがとうございます』

「大袈裟だな。でもありがとう莉子」

『うん』

「それとな、俺からも大事な話があって、今度11月に東京サミットが行われるのは知ってるよな？」

『はい。ニュースでその話題ばかりなので知ってますよ』

「実は公安がサミットの開催に当たってその警備に関わることになってるんだ。それで、サミットが終わって、仕事が落ち着いたら籍を入れていいと上から許可を貰った」

『え、それじゃあ…』

「12月になってしまうが、俺と…夫婦になってくれるか？」

『……っ…もちろんです！』

莉子の言葉が嬉しくて思わず抱き締めた。仕事だけではなく、莉子の育ての親である祖父母への挨拶、結婚するに当り職場での事務手続きなど、また忙しくなってしまいそうだ。それでも莉子と幸せになるための事なので苦には感じない。

(もう一踏ん張りだ…)

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東京サミット、映画では5月位だったと思いますが、ここでは11月ということでお願いします！

小説の終わりが見えてきました。
私ももう一踏ん張りだ！