【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ1)

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レディキラー1 ページ1

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初めてテキーラサンライズを飲んでみたがとても美味しい。しかし、一杯飲んでから顔が熱くなるのを感じた。甘くて飲みやすくて美味しいのに、油断したら飲まれてしまう。カクテルとは怖いお酒だとつくづく感じる。しかし、他のメニューを見ると気になるお酒がいくつかあった。お酒は弱い方ではないので気を付ければ大丈夫だろうと思いマスターに注文した。

『安室さんはずっと同じもの飲んでますけど、なに飲んでるんですか？』

「マティーニです。なかなか強いお酒なんです。飲んでみます？」

『なら少し……うっ！結構辛口！安室さんて結構強いんですね』

「安室さんは結構どころじゃなくてかなり強いよ。うわばみだな」

「うわばみって。マスター、僕そんなに大酒飲みじゃないですって」

会話を楽しみながら彼はお酒も強い事を知り、何でもできてしまう事にやはり凄い人だなと改めて感じた。何杯目かのカルテルを飲み終えてしまえば次を飲もうとメニューを眺める。少しだけ酔い初めて来たのか、ふわふわと心地よい気分となってきた。しかし、飲んでみたいお酒があと一つだけあったのでこれを飲んで今日はおしまいにしよう。

「莉子さん、大丈夫ですか？」

『平気ですよ～。これで最後だし。マスター、この赤いカクテル、うんと…レディーキラー下さい。』

「レディーキラーって…莉子さん、どうなってもしりませんよ」

『どうにもなりませーん』

「お姉さん、安室さんと…彼氏以外の人と飲んでて大丈夫なの？」

『平気～。二股許してくれるくらい寛大な人ですし』

「え、二股？！」

『うん。付き合ったのは最近なんだけど、告白を受けたときにね、恋人いるって言ったら《二股でもいいです》って言われたの』

「そりゃまた凄い話だね。二股したくなるくらいいい人なんだ」

『素敵な人ー。最初の印象は最悪だったけど、初めてドライブに行って運転する姿見たら一瞬で惚れちゃった。ふふ、だって自分の車愛でるように運転するんだもん』

「お姉さん車好きなんだ」

『うん、整備士してるの』

「女性の整備士、魅力的だなぁ。それで、もともと付き合ってる彼氏は、知らないよね？」

『まぁ、そうだね。最近付き合った彼はなかなか会えないからバレないと思う』

「そっか。あまり会えないんだ……って不倫！？」

『違う違う！仕事が忙しい人なの。会えないのは寂しいんだけどね』

隣に恋人がいるにも関わらず話続け、目の前に置かれたレディーキラーを飲んだ。