【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ21)

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互いの決心2 ページ21

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-降谷零 side-

ポアロの仕事を終えて、夜から公安の仕事へ向かうため一度帰宅してスーツを身に付けて、警察庁へと向う。車を停めて、仕事を始める前に警察庁内にある休憩スペースでコーヒーを飲んでいた。

「降谷さん、お疲れ様です」

「風見か、どうした？」

「これ、例の事件における重要書類が手に入ったので降谷さんにと思いまして」

「ああ、すまない」

「では」

「風見、少しいいか？」

「何でしょう」

コーヒーを飲んでいたときに、風見が警察庁独自に調べていた事件に関する書類を持ってきたので、その書類が入った封筒を受け取った。プラスチックのコーヒーカップをテーブルに置くなり、休憩ペースを出ようとした風見を呼び止めた。この空間には二人しかいないため大丈夫だろうと話始めた。

「実は結婚する事になった」

「え、本当ですか？」

「本当だ」

「……………」

「なんだ？」

「いえ、驚いてしまって」

「そうだろうな」

「いつからお付き合いされてる方なんですか」

「もうすぐ3ヶ月だ」

「………」

結婚する事を話したら驚いているのが一目瞭然だった。風見は直々の部下で、知る権利があると思い上にあげる前に、知っておいてもらおうと思い、今伝えているわけだ。

「結婚するとは言っても、婚約段階で、いつ籍を入れるかは未定だがな」

「そうですか。その方は降谷さんの事情を知っているんですか？」

「ああ、知ってる。知った上で付き合ってくれて、結婚も受け入れてくれた。外では他人の振りをしてくれている、出来た人だよ」

「…正直安心しました」

「どういう意味だ？」

「貴方はどんな汚い仕事も国のためならって引き受けるし、ある時は私立探偵の安室透、ある時は黒の組織のバーボン、今は警察庁の降谷零。全て一人で抱えて戦っている貴方が、時々恐ろしく感じてました。でも、そんな貴方が安心して帰れる場所ができて…、降谷さんも一人の人間なんだなって思いました」

「俺も彼女と出会って人間らしくなれた気がするよ」

《安心した》という言葉の意味を、風見から伝えられて思わず笑ってしまった。自分でも、昔よりまともな人間になったなと感じる事が増えた。

「でも、それは逆に降谷さんの弱味になるんじゃ…」

「それはもう身をもって感じたさ」

「それじゃあ…」

「それでも守って見せるよ、国も莉子も…」