【降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅱ (ページ16)

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予約1 ページ16

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-降谷零 side-

莉子が作ってくれた料理を平らげてしまった。自分で作るよりもずっと美味しく感じる。その後、莉子からお風呂を進められたので先に入ることにした。3日ほど寝ていなく、体は限界を感じていたはずなのに家に帰ったら疲れなど感じなくなってしまった。お風呂から上がり、莉子をお風呂へ促す。

一人になりソファに腰掛けつつ莉子に伝える言葉を考える。カッコつけず素直な気持ちを伝えるべきだろう。そんなことを思いつつ莉子が戻ってくるのを待っていた。

暫くしてお風呂から上がり莉子が隣に座る。

『そう言えば零さん、何で私の誕生日知ってたんですか？』

「免許証が見えて、8月26日ってのがわかった。遅くなったけど誕生日おめでとう。27歳か？」

『あの時は本当にびっくりしましたよ。でも、ありがとうございます。年齢は言わなくて良いですよ！それで、零さんの誕生日は？』

「10月6日」

『過ぎてなくて良かった。今度は私がお祝いさせてください』

「楽しみにしてる。そう言えば、アイツから声はかけられないか？」

『あっ！あの時はよくも私の個人情報を…！』

「仕方無いだろう？」

『…仕方なくないっ！…でも私ってホクロ多いんですね』

「他にもあるけど言うか？」

『いいっ！言わなくていい！』

「ふっ…なぁ、莉子。大事な話をしていいか？」

『え、うん』

「………………莉子と付き合ってまだ3ヶ月も経ってないし、この中でも会えているのは片手で数えられる程度だ。それでも会える度に、莉子が俺を見送ったり、出迎えてくれたり………俺の帰る場所を作ってくれていて、結構救われてたりするんだ。だからこれからも、俺の帰りを待ってて欲しい。この家で…」

『いつでも待ってますよ』

莉子のあっさりとした言葉を聞く。一世一代の《プロポーズ》をしたつもりだったのだが、遠回しな表現では伝わらなかったらしい。本当に《結婚》とは難題である。

「つまりな、…俺と結婚して欲しいって言ってるんだ」

『……！？』

「直ぐと言う訳じゃなくて、近い将来に。俺は今仕事中心の生活だし、莉子に心配かけさせてばっかりだし。寂しい思いだってさせている。…一緒にいられる時間は極端に短い…それでも、莉子と会えた時は嬉しいし、莉子のところに帰りたいと思う。今は時期じゃないのは分かってる。だから、その時期がくるまで莉子を《予約》してていいか？」