【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ49)

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待ち合わせ2 ページ49

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-安室透 side-

米花自動車を出るなり、莉子の仕事が終わるまでどこかで時間を潰そうと思い、遅い昼食を摂るためお店に入り軽食を注文する。食事を終えてから、途中までしか読んでない本を読んで時間を潰していた。

夜になり、仕事が終わったと連絡が入ったので迎えに行こうと、会計を済ませてから莉子の職場へ向かった。着いたことを報せると直ぐに職場から出てくるのが見えて、車の鍵を開けてあげた。

車に乗り込んだ莉子に視線を向けた。ずっと触れたくて堪らなかった莉子が目の前にいる。先程とは違い二人きりの空間。唇か重なるまでそう時間はかからなかった。莉子と二人になれたのは約二ヶ月ぶりで、会えなかった時間を埋めるようにキスを繰り返す。その間の吐息、漏れる甘い声にぞくぞくと煽られているのが自分でもわかったが、ここは車の中だ。理性を呼び戻して唇を離した。

長期間仕事が続いたので、久しぶりにお酒を飲んで気分転換をしたかった。莉子が飲めるなら家近くにあるbarに行こうと思っていて、誘ったら飲めるとの事だったので行くことを決めた。《泊まってもいいか》と問う莉子。自分もそのつもりだったので快く受け入れて、着替えを取りに莉子の住むアパートに向かった。

「着替えとか、もう家に置いていってもいいけど」

『本当ですか？それなら必要なもの零さんの家に置いていきます』

着替えを取りに戻り、そのまま自宅の駐車場に車を止めて歩いてbarに向かう。

「あれ、安室さん！久しぶりだね、いつぶりだろう」

「3ヶ月ぶりですね。仕事がやっと落ち着いたのでお酒をと思って」

「お疲れ様。隣にいるのは初めての人だね。随分と別嬪さんだけど、安室さんの彼女？」

「いえ、昔からの友人なんですよ」

「へえ、なら俺が口説いちゃおうかな」

「彼女、恋人いるのでやめておいた方がいいですよ」

「それは残念。今日は何にする？」

「僕はいつものお願いできます？」

「いつものね。お姉さんは？」

『私、お酒とか詳しくなくて、甘くて飲みやすいものってどんなのがありますか？』

「そうだな。オレンジ系が嫌いじゃなければ、テキーラベースで作るテキーラサンライズが結構人気だよ」

『じゃあそれで』

「了解」

注文を終えてその間会話を楽しむ。そういえば、莉子とお酒を飲むのは初めてだが強いのだろうか。酔ったらどうなるのか、また違う一面が見られるのだろうか。そんなことを思いながら乾杯をした。