【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ44)

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窮地ページ44

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-安室透 side-

キュラソーと接触するために警察病院へと来た。車の中で風見に事情を話し、自分に何があっても任務は遂行するように伝えて電話を切る。車を出れば自分をつけていたのか、ベルモットが自分の前に現れた。腕にかけてある上着から覗かせた銃口。《ここで逃げたら殺される》そう感じてベルモットに同行した。

倉庫内に連れられ、倉庫内で待機していたウォッカとジンにて、キールこと水無怜奈と共に手錠を嵌められ拘束されてしまった。自分はノックリストではないことを何度も説明するが信じてもらえない。

(どうする…カマをかけてみるか)

自分達をその場で殺さなかったのは、自分達がノックリストである確かな情報が無かったからだろう。カマをかけてみたがジンは動じる様子がなかった。それどころか、自分の隣で手錠をの鍵をピッキングしている水無怜奈の腕を躊躇いもなく打った。ノックリストか否か吐くために、一分間の猶予をもらったが、口を割るつもりはない。カウントが終わると同時にジンが自分に向けて銃口を向ける。

(これまでか…しかし…)

死を覚悟しつつも最後まで足掻いた。腰を落として水無怜奈が落とした針金を手にし、素早く鍵をピッキングする。銃声と共に倉庫内のライトが落下した。同時にピッキングも成功して倉庫内の影に身を潜める。それから直ぐ、ドアが勢い良く空き、その先にFBIの赤井秀一が走っていくのを視界が捉えた。

(クソ、窮地は脱したが、赤井に助けられるなど屈辱的だ…)

赤井に対して毒を吐きつつも、ラムからの連絡を受けて自分達の疑いは取り敢えず晴れたようだった。キュラソーを取り戻すために東都水族館へ向かう三人を確認し、水無怜奈を解放してやる。その後、自分もその場を離れ公衆電話を見つけて周囲に目を光らせながら風見と莉子に電話する。

心配する莉子の言葉に被せるよう、今日は会えないこと、また連絡を入れることを手短に伝えた。莉子の声を聞くと心配と戸惑いの色を感じた。

(悪い莉子、もう少しだけ待ってくれ)