小さな探偵再び1 ページ31
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あれから１ヶ月、会いたい気持ちもありつつ、気恥ずかしくてポアロへは一度も行けなかった。連絡もせず、恋愛に対しては中学生以下だとつくづく思う。皆はこういうときどうしてるだろうかと知りたくなる。
仕事は午前中のみなので、いつもと同じように仕事が終わってからツーリングに行こうと考えていた。終了時刻になれば更衣室で着替えをして、同僚に挨拶するなり愛車に股がってバイクを走らせた。
一時間ほどバイクを走らせて、大好きな海沿いへときた。駐車場に愛車を止めて、砂浜へ降りる階段に腰かけた。キラキラしている海を眩しそうに見つめ、彼に告白された時もこんな日だったなと懐かしんでいた。どれ程時間がたったかわからないが、遠くで子供のはしゃぐ声がして視線を向けた。
「キラキラして綺麗だねー！みんな早く早く」
「歩ちゃん、待ってくださいよ！」
「光彦、博士、遅ぇぞ！」
「これこれ、君たち、そんな走らんでも海は逃げんよ」
おじいちゃんとお孫さんだろうか。世間は夏休みシーズンなので皆で海にきたのだろうなと思い、少しだけ微笑ましく感じた。
「莉子姉ちゃん、久しぶり」
『コナンくん？！え、こんなところでどうしたの？』
「友達と博士と来たんだ」
いきなり話しかけられたと思ったら、以前スーパーで出会った眼鏡の少年がいた。先程視線を送っていた人達を指さして一緒に来たのだと教えてくれた。
「莉子姉ちゃんこそ、一人でどうしたの？」
『休日の日課なの、ツーリング。今日は午後休だったから』
「莉子姉ちゃん、バイク乗るんだ！僕も乗ってみたいなぁ」
『今度乗せてあげるね』
「ほんと！？ありがとう！！約束だよ」
『ええ。もちろん』
「そう言えばさ、莉子姉ちゃんは安室さんと付き合ってるんだよね？」
『え？付き合ってないよ』
「はは、隠さなくてもいいよ。安室さんから付き合っている事は聞いてる」
こんな小さな少年が知っているという事は、自分達が付き合ってる事を彼は公にしているのだろうかと疑問に思った。
「ずっと会ってないんでしょ？安室さん今日ポアロにいるよ？」
『えと…なんか、会いに行くのが気恥ずかしくて』
不思議な事に、いつの間にか少年と恋愛相談をしてしまっている始末。最近は小学生でも恋愛経験が豊富なのか。自分は小学生以下のようだ。
「莉子姉ちゃん、恥ずかしがり屋さんなんだね。安室さんも会いたがってたし、今日行こうよ！恥ずかしいなら僕も一緒に行く」
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作者名：ゆきだるま | 作成日時：2018年5月6日 19時
