【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ4)

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喫茶ポアロ2 ページ4

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-安室透 side-

材料を一部切らしてしまったため、梓に一言断り買い出しに出かけた。近くのスーパーで必要な材料が記載されてあるメモを見ながら買い出しを終えれば、材料が入った袋を持ちながら、バイト先である【喫茶ポアロ】に戻ってくる。

歩道を歩いていたら、お店の前で一台のバイクと、バイクに向き合い必死に何やらしている女性の姿が見えた。近づくうちに、その人がいつも自分の愛車を修理してくれている莉子だと気づく。こんなところで何をしているのだろう、そんな疑問を思い浮かべた。それよりも…

(バイクに乗るのか…初めて知った)

(整備士としての彼女しか知らないからな…)

莉子が車を傷付けてばかりいる自分を快く思っていない事は知っていたが、文句を言いつつも、必死になって愛車のRX-7を完璧に修理してくれる莉子の事を結構気に入っていた。

莉子は車やバイクに意識を向けている時、話している人にはあまり意識を向けないため、自分には気づかないだろうと思った。気づいた時はどんな反応をするのだろうかと、面白半分で声をかける。

「カッコいいバイクですねぇ。これ、確かZX-10Rでしたよね？調子悪いんですか？」

『ありがとうございます。ええ…ちょっとエンジン部分が』

「へえ」

自分と話しているとは気づかず、莉子は楽しそうにし話ながら修理を続ける。