【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ30)

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非日常から日常へページ30

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朝、アラームによって起こされた。手探りで携帯を探すが近くに見当たらない。いつもベッドの上に置いてあるのにと重い身体を起こすが、腰の痛みにベッドに逆戻りし一気に覚醒した。昨日の事が次々と思い起こされていく。恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。

(私の部屋じゃないんだった…)

『アラーム！』

鳴りっぱなしのアラームを思い出して、痛みに耐えながら床に散らばった服を集め身につける。リビングに行き、鞄の中で鳴っていたアラームを止めた。

《ゆっくりしてていいから》昨日の彼の言葉を思い出す。壁に掛かった時計をみてまだ時間に余裕があったので、その言葉に甘えるようにゆっくりと仕事へ行く準備をする。準備をしているときにカウンターキッチンの上に置かれている、サンドウィッチとメモ用紙と鍵に気づいた。

『零さんたら…』

忙しい朝に作ってくれたのだろうか。メモ用紙を見て、嬉しさから胸がきゅっと痛くなった。

(次はいつ会えるのかな)

昨日まで会っていたがもう、会いたくなってしまった。ポアロへ【安室透】に会いに来ていいと言ってくれている。好意に甘えてもいいのだろうか。そんな思考を巡らせながら、お腹も空いたので椅子に座りサンドウィッチを一口食べたが、その美味しさに感動した。次は会えたらまた作ってもらおう、そう決めた。

ゆっくりした朝を過ごしてから、彼から貰った合鍵を持ち、家を出てから職場へと向かった。