【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ3)

今日:13 hit、昨日:1 hit、合計:248,129 hit

喫茶ポアロ1 ページ3

¯

帰路の途中、愛車から変な音が聞こえてきた。

(何だろう…)

異変を感じて、スピードを緩め、路肩に寄りエンジンを止める。バイクを引きながら歩道まで移動して【喫茶ポアロ】の前に愛車を停めた。

(一言声かけた方がいいよね)

勝手に停めていてはお店の人に迷惑を掛けてしまうため、事情を説明しようとヘルメットを外してから【喫茶ポアロ】のドアを開ける。中には可愛らしい女の人。ネームプレートには榎本梓と書かれていた。それと数人のお客さん。

「いらっしゃいませ～」

『あの、すみません。ちょっとバイクの調子が悪くなっちゃって…お店の前に停めて、バイクみても良いですか？すぐ終わりますので…』

「ええ、構いませんよ。…わぁ、カッコいいバイクですね～」

『ふふ、ありがとうございます。愛車のZX-10Rって言うんです。あ、バイクを直し終わったら珈琲頂いても良いですか？』

「もちろんですよ、席を空けてお待ちしています」

ウエイターから許可を貰えたので、頭を下げてから一度外にいき、異音がした辺りを入念にチェック。

(ここか、これくらいなら直せそう)

原因を特定してから、工具を邪魔にならない程度に広げ、軍手をするなり慣れた手付きで修理を始めた。