【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ17)

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急展開3 ページ17

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『………でも、恋人が』

「二股でもいいですよ」

『え…』

いきなりの告白に驚き、頭の中が真っ白になった。今まで告白されたことはあっても、ZX-10rという恋人がいると言うと、その思考に引いて諦める人が殆どだったが、《二股でもいい》などと言う人は初めてだった。

(これが好きって感覚なのかな)

先程まで気づかなかった感情に少しずつ気づき始める。チラッと相手の目を見つめた。とてもきれいな瞳に吸い込まれそうになって思わず視線を逸らす。

「目を逸らさないでください」

その言葉に再び彼の瞳に視線を移した。出会ってから、彼の車しか意識を向けておらず、きちんと向き合ったことはなかった。今、彼と初めて向き合い、《紳士的で、眉目秀麗》である事に気づいた。

『私なんかが、安室さんに釣り合うとは思えないんですが…』

「釣り合う釣り合わないではなくて、莉子さん、貴女の気持ちを教えてください」

『……たぶん、安室さんのこと…好き…？なんだと思います。でも、二股でもいいですか…？』

「仕方ないですね」

自分の言葉にクスリと笑う。《仕方ない》と言う言葉の後に、手を軽く握られ指先にキスをされた。

(なんだ、この急展開…)