【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ13)

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彼に惚れるまで2 ページ13

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ドライブ当日。

待ち合わせは近くのカフェ。お昼過ぎからの約束だったので準備は、ゆとりを持って行う事ができた。派手すぎず地味すぎずTPOに合わせた服装を選び、ローヒールに足を通してからカフェへと向かう。平日という事もあり人通りは少ない。

お互い休日が合わず、結局予定を合わせられたのは1ヶ月後。自分の職場は休みを希望すれば、ある程度休むことはできるが、私立探偵をしていると言っていた彼はなかなか休みが取れないようだった。

10分ほど歩いて待ち合わせとしているカフェへ到着。中に入れば奥の席に彼が座っていた。周囲にいた女性客は、彼を見るなりヒソヒソ話したり、視線を送っていたりした。

(待たせてしまっただろうか。でも、あそこにいくのはちょっと気まずいな…)

そんな風に思いながら、勇気を振り絞り近寄るなり本を読んでいた彼に声をかけた。

『すみません、お待たせしました』

「莉子さんこんにちは。時間ぴったりなので大丈夫です。僕が楽しみで、早く来すぎてしまっただけなので。何か飲みますか？」

『あ、はい。えっと、アイスティーで』

飲みたいものを聞かれて相手の目の前に座る。周囲の視線が痛い。視線に耐えながら、メニューを広げてアイスティーと答えれば、彼が自分のものと一緒に注文してくれた。

「行きたいところはありますか？」

『うーん、個人的に海沿いをドライブするのが好きですけど』

「なら、海沿いに行きましょう。僕も海沿いのドライブは好きですよ。最近は忙しくて全然行けてませんけどね」

『ありがとうございます。安室さん、お仕事お忙しそうですよね。今日は久しぶりのOFFですし、ゆっくりできると良いですね』

「お気遣いありがとうございます」

アイスティーと珈琲が運ばれてきた。彼は会話上手なのか、話題は途絶えることはなくとても楽しい時間を過ごす事ができた。事務的な会話をしていた以前までとは違い、彼の印象は変わりつつあった。