【安室透/降谷零】走り屋なんて嫌いです Ⅰ (ページ2)

今日:24 hit、昨日:1 hit、合計:248,140 hit

日常ページ2

¯

(あぁ、潮風最高…)

(気持ちいい…)

現在、莉子は愛車のZX-10Rに股がり海辺を一人でツーリングをしていた。天気がよく、１日OFFの日は、ツーリングをすることが日課となっている。ツーリングは日頃の仕事の疲れを癒してくれるし、嫌な事だって忘れられる。

恋人は、現在も過去もいない。莉子は一応美人の部類に入るため、男性に声をかけられたり、交際を求められた事もあるが断り続けていた。

昔も今も、兎にも角にも自動車やバイクの類いが好きなのだ。恋人の有無を聞かれて、YESと答えてもそれは人ではなく愛車と答えてしまう始末。

莉子は米花自動車で自動車整備士をしている。女性では珍しく車の類いが好きで、自動車整備士になるため専門学校に通い、免許を取って、現在はバリバリと仕事をしている。吸収が早く、若いながらも難しい仕事も任せてもらえるようになった。大好きな事を仕事に出来て、とても幸せに感じている。

しかし、そんな恵まれた環境の中でも、皮肉なことにストレスというものは溜まるものだ。そして今週は特にストレスが溜まっていた。

先日、常連の客がまた車を傷付けけて修理の依頼をしてきたのだ。褐色肌、蒼い瞳、明るい髪が特徴の安室透という男性客。女性事務員がイケメンとキャーキャー騒いでいたが、莉子は頻繁に車を傷付ける彼が気にいらなかった。何度傷つければ気が済むのか。

(質の悪い走り屋め……)

そんな毒気も心地よい潮風風に当たるうちに、抜かれていき、穏やかな状態で地元の米花町に戻ってきた。