36話 ページ38
何処へ行けばいいのかなんて分からず
それでもとにかく
彼と共に逃げなきゃ、と必死で走った
ただ彼と逃げることだけを考え
ガムシャラに走ったはずなのに
たどり着いたのは
当初私の目指していた
あの浜辺だった
警察のサイレンも
人の声すら聞こえない
ただザーーー、と海の波打つ音だけが響く冬の海
あまりの寒さに私は
自販機で缶コーヒーを買って
浜辺へと戻る
浜辺へ戻ると雨宮ヒロトは
考えてるのか
浜辺へと座り込み
ただただぼけー、と
海の向こうの1点だけを見つめてた
ヒロト「・・・・、」
『はい、コーヒー』
ヒロト「、・・・・」
私が缶コーヒーを渡すと
雨宮ヒロトは
少し不思議そうな顔を浮かべ
そ、と受け取った
ヒロト「・・・・、」
『・・・・』
そしてまた、あの日と同じ沈黙が2人を包みこんだ
無言なのに、どこかホ、とする
不思議な沈黙・・・
そんな時間に酔いながら
あまりにも長い数分の沈黙が続いた後
ヒロト「なぁ、」
『っ、！？』
雨宮ヒロトがいきなり話しかけた
ヒロト「お前、、俺のこと、怖くねぇのか・・」
『、・・！』
怖くないのか、、
そう聞く雨宮ヒロトはいまだ海のどこか向こうを見てるままで
何を考えてるのかわからない
ヒロト「さっきの俺、、みただろ」
でも、まるで何かに怯える子供のように私
の瞳には映る
そんな彼が何故か今にも消えてしまいそうな程か弱く小さく見えて
『・・怖くないよ、』
ヒロト「、・・！」
『今のあなたも、、、さっきのあなたも。私は怖くない』
ヒロト「、！！」
私は彼の目を見てそう強く答える
すると彼は少しホッとしたように
クスリ、と笑い
そして、
何故だかとても悲しい顔をした
.
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青龍 葵(プロフ) - 更新されないんでしょうか？ (2017年12月31日 1時) (
レス) id: 7069733e86 (このIDを非表示/違反報告)
チャンス - 最高でした！ 続き待ってまーす！！！！ (2016年6月21日 22時) (レス) id: 3a1af415ef (このIDを非表示/違反報告)
s - 初めまして！いつも読ませていただいております！三人の想いが切ないです(･_･、)更新大変だと思いますが頑張ってください！待ってます！ (2016年3月24日 16時) (レス) id: 2b2b086bb8 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるちゃん(プロフ) - きゅんきゅんします！続きが気にます！！ (2016年2月20日 0時) (レス) id: 2806cd4078 (このIDを非表示/違反報告)
璃良 - 面白かったです！！ あれ？これってダンいいヤツだったりしますかね？ 更新頑張ってください！ (2016年1月12日 17時) (レス) id: 918f3c33d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小町-komachi- | 作成日時：2015年11月8日 21時
