な き む し【まふまふ】

よ ページ6

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「てか、なんで俺！？」




「いや、ほら、さかたんって騒がしいから寄ってこないかなって！」






「俺の扱いよ…」








夜更けも夜更け、草も木も眠ってしまう午前一時過ぎ。




僕とさかたんは深夜の心霊スポットに来ている。



動画として出す予定で、撮影はAちゃんにやってもらっていた。









「トンネルって雰囲気あるよね…」




「車通り多くても怖いもんなぁ…」







入口でちょっと喋ってから中に足を踏み入れる。



さかたんが騒いでくれるおかげで怖さも少しやわらぐ。


心霊スポットときいて怖がっていたAちゃんも、ときどき笑顔になっているのを見かけた





「…ッぅ、」


のも、つかの間で。




「どうしたん、具合悪いん？」


「え、大丈夫！？」




立ち止まって、空いている手で頭をかかえるAちゃん。



大丈夫、と口パクで伝えてくるけど放っておけない。







「Aちゃん、一応病院行っといたほうがええで」



「…うん、そうします」




「も、もしかしたら幽霊の…？」



「ハッ！かもしれんな！」




いつもより弱々しく笑うAちゃんに、胸の奥がざわついた。

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