な ページ3
.
「がんばって作ったんだよ!自信作!」
「…え、これ僕に?」
「他に誰がいるの?」と心底不思議そうな顔で言われると何も言い返せない。
僕がテーブルにつくと、お皿にチョコケーキのようなものをのせて運んできた。
「じゃーん!ガトーショコラでーす」
「おぉー…」
普通のチョコケーキとなにが違うんだろうか…。
とか思ってフォークで切り分けると、中からトロトロなチョコレートが流れ出してきた。
「うわぁっ!すごい…!」
「ふふっ、すごいっしょー」
「うん!おいしい!」
この幼馴染、いつの間にお菓子作りが上達したんだろう。
鼻歌まじりにお茶を入れるAちゃん。
小さいころからずっと僕のそばにいてくれていて、バレンタインのチョコだって毎年くれる。
「にしても…、今年もゼロ?」
「…Aちゃんからもらったからイチですけど?」
「あーほらほら、泣かないでよまふくん」
「泣いてないけど!?」
あはは、とひとしきり笑って、いれたばかりのお茶に口をつける。
「んじゃあ今年も私だけだね」
昔から変わらないその笑顔に、いつからか胸が鳴るようになったことは知らないふり。
.
37人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さく - とてもよかったです!その後話が欲しいです! (2019年7月17日 22時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@夜未(プロフ) - 吏桜-りぉ-さん» 私にはもったいないお言葉…!嬉しいです(´;ω;`) (2019年2月16日 19時) (レス) id: b795589ce4 (このIDを非表示/違反報告)
Alice@夜未(プロフ) - りーさん» ありがとうございます! (2019年2月16日 19時) (レス) id: b795589ce4 (このIDを非表示/違反報告)
吏桜-りぉ-(プロフ) - 泣きました、素敵な作品をありがとうございます。これからも応援してます(゚ω゚) (2019年2月15日 4時) (レス) id: fc39a538a4 (このIDを非表示/違反報告)
りー - いいお話です! (2019年2月14日 21時) (レス) id: 46c6f8cd6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Alice@夜未 | 作成日時:2019年2月13日 21時