【刀剣】転生した先は修羅場でした。【男主】 (ページ2)

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プロローグページ2

人はいつこの世とお別れするか分からないと、動かなくなった指先を眺めながら痛感した。高校三年の冬学校からの帰り道だった。昨晩から降り始めた雪は三㎝弱ほど積もっており、車はスリップしないようにゆっくりと列をなして走っていた。

そんな中起きた悲劇。

零の近くを歩いていた小学生が、横断歩道の先に居る友達に手を振りながら駆け出した。信号は青問題ないと視線をよそに向ける。が、フと気になり視線を戻した。小学生が渡る横断歩道に向かって、車がかなりのスピードで向かってきていた。

おいおい、あれじゃあぶつかるぞ。

焦りながら運転席へと視線を向けると、運転手はパニックになってハンドルを切っていた。雪の所為で操縦が出来なくなっているのかと思ったときにはタッと駆け出していた。

小学生のランドセルをおし、それと同時にドンッと鈍い音が耳に届いた。感覚がなくなった様な、あれ??痛くないと思いつつも体は動けない。

辺りは騒然とし、大人たちが駆け寄ってくる。零が助けた小学生は押した衝撃で膝を擦りむいたようで、大泣きをしている。

あぁ、怪我させちまったか……。ごめんな。

「おい!!君しっかりしろ」

「今救急車を!!」

大人たちの騒ぐ声が、朝を告げる小鳥の声に聞こえる。可笑しいな、あぁ、眠たい。まだ寝ていたいと脳が眠りを誘う。どこか遠くで聞こえる声に耳を傾けつつ、零は目を閉じ二度と覚める事のない眠りについた。