ep.218 ページ19
.
ジョングクside
するり
自分が伸ばした手から離れていくAの手の感触＿＿＿
忘れられない
離れない
座り込むように膝から力が抜けて、何も考えられなくなったあの瞬間のことを。
＿＿＿＿＿俺
振られたの？
「ふっ……あは、だめ、か……」
僕はAの唯一無二には、なれない……？
ぽた、と床に落ちる涙さえも拭うことなく項垂れると、誰も触れずにそっとしてくれた。ただ少しして、ジンヒョンがとん、と背中にのしかかってきて
「……ジョングガぁ」
「っ、」
「彼女はお前を選ばなかったわけじゃないよ」
「えっ…？」
落ち着いた声で、ヒョンはゆっくり話す
「お前はちゃんと、彼女になくてはならない存在だよ。テヒョンとは違う、もっと《特別》なポジションだよ。あ〜、ヒョンは羨ましい、うんうん」
「ど、ゆ……こと、です？」
ズビも鼻を鳴らすとハンカチで差し出してくれる
「前にね、シュガと話してた時に聞いたんだけどさ」
「…はい、」
「ジョングクはRouが一番憧れるアイドルなんだって」
＿＿＿＿“素直になれってことしか、俺は言ってやれない”
“いえ、ありがたいです。なんか背中を押されに来たとこもあったので…(笑)”
Rouは小さくはにかむ
“心の中では分かってるんです。もう、答えは出てるんです。でも、でも私にとってジョングクさんは＿＿！”
《ジョングクさんは、自分を本当に弟だと思って接してくれて、私はずっと、あの背中を追いかけていたんです。弟が兄を追いかけるみたいに……本当に。
完璧で、常に全力で、なんでも出来ちゃうから、余計に期待されて、それでも挫けず目をキラキラさせて……
自分とは程遠いんです、
寧ろテヒョンさんは私に似てます。近いです。
でもジョングクさんは遠くて、一生追いつけないと思います。アユクデで私が彼に追いつけなかったように、きっと、永遠に》＿＿＿＿＿
「だからRouはBTSのジョングクを最も敬愛し慕う存在なんだって。そのポジションは、誰にも譲りたくないって。ジョングクを追いかけていいのは、自分だけだって。もし同じような人がいたら、引き離してやるって」
「な、にそれ…っ」
「お前は選ばれてるよ、ちゃんと。僕らとは違う、彼女にとって特別なんだ」
常に前を走ってろと、そう言われてる気がした
「ほんと、生意気…(笑)」
ちくしょ、
これからも生意気で居てくんないと、俺も俺でいられないじゃんか
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さく - グクが切なくて号泣しました、、。 (2022年6月23日 21時) (
レス) @page20 id: 7083a913c1 (このIDを非表示/違反報告)
なる - すばらしかった!一気に読みました！映画にしてほしいくらい! (2022年1月12日 7時) (レス) @page23 id: e79cab2ce6 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - むぅさん» むぅさん、コメントありがとうございます！書いてから少し経っているのですが、読んでくださる方がいるのが嬉しいです、、。素敵なコメントで作者も嬉しいです！ (2021年2月2日 18時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
むぅ(プロフ) - とっても素敵なお話でした…読んでたら自然と一緒に涙してました。また読み返します！ (2021年2月1日 19時) (レス) id: 8dd9a678ab (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - リーさん» リーさん、コメントありがとうございます。もう一度最初から読んでいただけるなんて…！長いお話なので本当にありがたいです、、！何度でも楽しんでもらえると嬉しいです！ (2020年11月30日 19時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2020年5月2日 21時
