scene.58 ページ9
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「あら。久しぶりねA」
「____!!」
きょ、教授…
舞台裏の廊下で出くわしたのはかつての教授
「こんなに有名になって…。私の見立て通りよ。今日も貴女が1番美しいわ、」
「…とんでもございません…まだまだ未熟者で…作品作りも、」
「何を言ってるのよ!これ程メディアで騒がれて貴方程の美貌があればちょっと作品の質が落ちたって何も言われないわ!大丈夫!安心しなさいな!」
やーね、もう!と笑われる
その度に胸の奥底からむせ返るような吐き気が催される。大学時代も…こうだった…
「それにしてもまぁ、本当に美人さんで。さっきも自慢して来ちゃったわよ〜」
「え…」
「テレビ局の方に声をかけられたからね、是非教え子を宜しく、って。勿体ないわよ、こんなに美人なのに」
「っ、」
ぐら、と視界が揺れる
教授の顔が歪んで___ああ、回転性の目眩…だ、たぶん…
揺らつく世界をぐっと耐えて、静かに微笑んで
「…ありがたいことですが、私は裏方職業ですし…小さなギャラリーで密かに作品を作り続けるのが性に合ってるんです」
「!…何よ、歯向かう気?私の好意を無駄にするの?あなた昔からそういうこと____!?」
カッとなった教授に身体を縮こませた時
スっと目の前に人が割って入る
「Aヌナっ。んふ、見かけたから来ちゃった!」
ゆっくり振り返る彼は
「…ジョングク、くん…っ」
「おいで。皆も待ってるよ。」
「へ、…っ」
「な、何なのよ、チョン・ジョングクよね!? 彼女となんの関わりが!?」
「…僕らの大事な《ファミリー》ですけど。」
「ファ、ファミリー?」
「もう彼女を縛らないであげてくれませんか。今、Aヌナは、ヌナにしか撮れない世界を、ヌナだけの作品を、ヌナが心の底から美しいと思うものを撮れるんです。」
だから
「もう干渉すんな。」
「!」
行こう、と手を引かれる。
綺麗なスーツを身に着けた彼はいつもより大人びて見える。かっこいい…
「ジョングクくんっ、ど、して…」
「ヌナには笑ってて欲しいからね」
「ぇ…?」
「泣きそうな顔して笑われても、僕嬉しくないもん(笑)」
ふに、と頬を挟まれて
「ヌナは確かに世界一美しいよ。今日だって。でもいつものヌナももっと綺麗。ヌナはカメラを手にしてる時が、一番綺麗なの。僕知ってるよ。」
「!」
「僕は知ってるからね。何かあったら、僕が助けるからね、だから泣かないで。笑ってて」
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時