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scene.54 ページ5

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はっと目が覚める。時刻は5:30を指していた。


「…シュガくん…っ」


部屋を見ると小さなソファーにすやすやと眠っていて、ああ、申し訳ないことを…と額に手を当てた

ゆっくりと起き上がるとシュガくんの元に寄っていって、

「…ありがと。」




心強かった。
1人で寝ない夜が、こんなにも安心するものだと教えてくれたのはシュガくん、貴方だよ___




彼の目に掛かりそうな前髪を優しく撫でてから



「…よし、珈琲でも入れようかな。」


熱ももう無さそうだし、時折ふらつくけどもう平気。


豆を取りだして、煩くならない程度に挽いてフィルターに移す。やかんをコンロにかけて、ほっと息をついたその時


「!」


隣にパッと人影が立って


「びっくりした…シュガくん、おはよう」
「あまり心配させないでくれる?昨日ぶっ倒れた人が朝っぱらから豆挽いて珈琲入れるか、ふつー。」

フッと笑って


「…シュガくんに、お礼したくって…」

「は、」

「今日もお仕事でしょう?できれば、気持ちのいい朝を迎えて仕事行って欲しいなぁって。
…珈琲。好きそうだったから…だから…ごめん、その、」

「あー、ほんと。やめてまじで、俺の心臓持たね、(笑)」




そう言って向かい合わせにさせられる




「Aさんが、どんだけジンヒョンとの想い出を大切にしてるかなんとなく分かるし」

「…!」

「ヒョンは俺なんかより、全然心も綺麗で、美しい人なのは、俺もよく知ってる。」

「シュガく、」

「前に俺、ヒョンとの思い出を越えさせてやるって言ったけど、訂正する」



甘い笑顔を作って







「俺が、これからAさんに優しい世界を、美しい世界を見せたい。」


「!」


まっすぐ濁りのない芯のある瞳。ゆっくり手を握られる



「大事にしたい。」


いろんなこと、一緒に背負いたいし
笑ってて欲しいし

Aさんが、Aさんらしくいれる空間を、俺が作りたい





「っシュガくん、…そんな、」



ぴーーっとやかんが湧く音が聞こえながらも
私たちは見つめあったまま
シュガくんの熱っぽい視線に目を逸らせない




そのままふ、と触れるだけのキスを落とされる




「俺、生きてきた中で、1番幸せな朝迎えてるなって思ってるよ。」


そう微笑むと沸いたやかんを手に取って珈琲のフィルターに注いだ




私はゆっくり彼に近づいてそっと背中に頭をくっつける



「…優しいね。ユンギくん。」


そっと瞳を閉じると、彼と珈琲の香りが鼻腔を擽った

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設定タグ:BTS , 防弾少年団   
作品ジャンル:恋愛
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mila.(プロフ) - xts9cp5sUjUGJbjさん» 感想ありがとうございます。私も実はこの作品が気に入ってるんです笑 この作品を愛読してくださり、ありがとうございました! (2021年10月5日 17時) (レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
xts9cp5sUjUGJbj(プロフ) - とても…とても綺麗なお話でした。作者様の言葉選びなどがとても魅力的で、物語に吸い込まれるようでした。とても素敵な作品に出会えて幸せです。これからも応援してます、 (2021年10月1日 2時) (レス) @page50 id: a176559be4 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ももさん» ももさん、嬉しいコメントありがとうございます。「素敵な時間」を提供できたとしたら本当によかったです。これからも一緒にバンタンを応援できたら嬉しいです (2021年9月5日 14時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - 美しい文章、と素敵な時間をありがとうございます。 (2021年8月30日 12時) (レス) id: 7a7f3f1d7f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - まる汰さん» まる汰さんコメントありがとうございます。書いてから随分経ってもなおこうして読んでもらえて嬉しいです。ジンくんの宝石箱、、美しい表現をありがとうございます。なんだか染み入ります(笑) (2021年6月28日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mila. | 作成日時:2019年11月29日 12時

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