誰も「男」だなんて言ってません 3 【BTS】

ep.144 ページ45

.


Sugaside


正直女のコだと世の中に知れ渡っただけでも、アンチの格好の餌食だっつのに。

『男の子』だと思って応援してたファンは皆裏切られたと思うだろうし。まずそこでバッシングを受ける

その上、うち(BIG HIT)には女タレントがいないのだから、そこも追及されるだろう。


そんで今まで可愛がってた俺たちに対しても。
女のコだと知りながら接していたにしろそうでないにしろ、ファンの方々がどう思うかなんて手に取るようにわかる



「くそっ…」


なんでこの時期に…！
Rouが躍進を遂げているこの時に狙ったかのように暴かれた真実

そこへ捏造ときた
あいつは母親から虐待されてた訳でもないし、祖父母に見限られて芸能界入りした訳でもない

ただ、Rouが稼いだお金の幾分かを児童養護施設に寄付していたというだけで、そんな事実無根なことさえ、事実としてでっち上げられる


「最悪だ…」
「今Rouはどこに？」
「社長室にいますよ」
「……行くの？」
「行きます。最後の一人になっても、俺が味方だと約束したんで。」
「…だよね。僕も行くよ。あの子を守りたい。」

Rouが女のコだったと知ってうちのメンバーだって、どう思うだろうか…

グッと手に力を入れたその時、テヒョンが叫ぶ声が聞こえた


「Rouちゃんは…悪くない､!! 悪者にだけはしないで!!!絶対守って!!!お願い…!!!」

「こら、V！落ち着け！」

「イヤだ！Rouちゃんを傷つけたくないの！Rouちゃんは…！Rouちゃんは誰よりも愛し愛されることを大切にしてる子なの＿＿＿！！！」


僕ら2人が駆け寄るとテヒョンが泣き顔で見上げる

「ヒョン…！」
「お前があいつを女子だと知ってて接してることは俺らは知ってた…」
「え、」
「僕に関しては知ったのは最近だけどね…(笑)テヒョンは最初から気づいてたんでしょ？」

ジンヒョンの言葉に頷く


「大事なの…。あの子のことがだいじなの。」
「テヒョンア…」



するとガチャっと扉が開いて社長が顔を出した
「Rouは暫く謹慎させることにするから」

「「は…」」

「騒動が落ち着くまで待つ事にする」


は？待つ？

「否定してくださいよ!!! あいつはそんな過去を背負ってないし！ファンを裏切った訳でもない！！それから俺たちとも、そーいう関係を築いてないし、そういうこと諸々、全部話させてやってくださいよ！」

黙って謹慎しろってのか


「こうなること分かっててあいつをスカウトしたんでしょう!?」

それが社長の責任ってもんじゃねーのかよ…

ep.145→←ep.143

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す