scene.29 ページ30
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ソクジンside
普段は、美術とかアートとか、そういうの全然詳しくないし、時間もないから足を運ぶなんてなかったけど
＿＿＿＿＿ “最優秀賞を史上最年少受賞したAさんの作品が展示されているギャラリー一覧“
ネット記事の最後に載ってたそれを、律儀に見て、それで
「…ここか…？」
車を降りて、小さな建物を見上げた
都市郊外。本当に小さなギャラリーだった。緑のツタが建物に絡みついている
「…よし、」
キャップを被ったまま、丸メガネだけかけて。
扉を開けると、中は白い空間。受付の男性はいたけれど、顔を上げずにPC作業をしていた
「…こ、こんにちは、…」
小さな声で挨拶をすると「あ、どうぞ〜」とだけ言ってまた作業を始めた。
お？いいのか？入って…僕、慣れてないから全然仕組みわかんないんだけど、…！
恐る恐る部屋に入ると、写真とか、絵画とか、いろんな作家さんのも並んでて
「RMに紹介してあげよう」
雰囲気もいいし、お客さんもいない。静かに寛げそうだ
「お、あった…！」
一番奥の部屋。
一つだけ白い長椅子が置いてあって、壁に映像が映されている
＿＿＿＿＿ヤー、…凄い、
15分のショートフィルム作品
アフリカ、だろうか、…小さな男の子がまん丸の澄んだ瞳を投げかける
「…っ」
気付いたら、吸い込まれて、ぐわりと心が掴まれてる
それが、Aの作品の特徴だった
酷く感動して、ただ、感動して。
小さく手が震えていた、ああ、懐かしいな、この感覚…(笑)
映像が終わっても、動けずにその場に座っていたら、ふっと影が落ちる
「…あれ…」
「…！？」
「ソクジンくん、…？」
振り返ると、ふわりと笑うAが立っていた
「え、な、なんで…っ」
「ふふ、驚きすぎ、今日は在廊してるの」
クスクスと小さく笑う彼女は、やっぱり百合のように可憐で、気品があって…
ゆっくり近づいてきて、僕の隣に座った
そうして僕を見上げる
「…こうしてソクジンくんの隣に座ると、大学時代のことを思い出すね＿＿＿＿」
すると晴れていた空が途端、雨色に…
ガラス窓から降り注ぐ滴が、A越しに見える
彼女も突然の雨音に窓の外に視線を向けた
「…A、おめでとう。」
今回の受賞。直接言いたかった。
そう言うと、俯いて、頬に手を当てながら
「…うれしい、」
じわっと赤くなった耳を見て、僕のまで赤くなった気がした
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mila.(プロフ) - eriさん» eriさん、読んでいただきありがとうございます。コメントもとっても嬉しいです。新しい作品を連載できるようになったらまたぜひ読んでください！ (2022年2月26日 22時) (
レス) id: 1554483eb9 (このIDを非表示/違反報告)
eri - コメント失礼致します。milaさんのこの作品のジンくんが耳を塞ぐ場面で、感動して泣いてしまいました。私自身天才でもなんでもないですがこの場面を読むと凄く心が穏やかになれます。こんな素敵な物語を書いてくださってありがとうございます!陰ながら応援しています! (2022年1月22日 1時) (レス) @page48 id: fc2e283c55 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - ぐぅにむさん» 押し付けがましくてすみません…(笑)私自身、この作品結構お気に入りなんです、、(笑)描写がわかりやすいと言ってくださるの嬉しいです。何せモデルのバンタンがあまりに美しいので言葉にするのもやっとです…(笑)応援ありがとう！これからもよろしくお願いします (2020年8月18日 18時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - 考えられてとっても楽しいです！mila様の作品大好きです！この作品だったらグクもいいですね。この子犬でもウサギでも赤ちゃんでもない。年下の男と思って気抜いてたら足元すくわれるのとこ好きです！これからも応援しています！mila様サランへ！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2020年8月16日 1時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
ぐぅにむ - そしてまた約束をする からやってまいりました！おすすめと言われ読んでみたんですが。確かにジンペンにはおすすめですね！mila様の作品はなんか全体的に表現が具体的で想像がとてもしやすいです。綺麗な景色について詳しく書かれてたら、あこうかな、こうか？みたいに (2020年8月16日 1時) (レス) id: 6734aceaf1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2019年11月9日 16時
