誰も「男」だなんて言ってません 2 【BTS】

ep.57 ページ8

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「え、雑誌の？」

「ああ。お前に、って」



マネージャーさんから言われたのは、とある雑誌のコラムにRouの連載をお願いしたいと依頼が来ているとのことだった




自己紹介動画の衣装が古着だったからか、Rouの衣装は普通のアイドルが着るようなものでなくて、ヴィンテージの古着も多くて。

そのせいか私服も、一点ものの古着を着ることが増えた。




それにいろんな古着屋さんが、Rouに自分たちの服を着て欲しい、って。
事務所にもメールが来たりするんだって。影響力って、すごいよね、ちょっとやっぱり、まだ怖いよ、




でも嬉しいよ。そういうふうに、自分にしかできないことを認められた気がして。



「んふふ」

「俺、お前がそうやって顔だらしなくしてる時が一番好きだよ」

「……うーん、褒め言葉かな」

「半々だ」

「…。」


冗談だよ、本当にそうやって素で笑ってるときはまだ10代の子なんだな、って思うよ



「それだけステージのRouは大人びて見えるから」

「…そうなの？」

「そうだよ。自覚ないのか」

「はい、なんか、いつまでだっても…あー、自分はこう、…褒められるとむず痒くて」

「…ま、その謙虚さが魅力だよな」







＿＿＿＿ “この職業ほどナルシストでなければならないものはないよね”



昨日、鏡を見て指先の細やかな動きまで研究するVさんがそう笑った




「…アイドルのRouは、ナルシスト？」

「アイドルにはそうあって欲しいけど、残念ながらお前は “無私無欲”。」


だってお前





鏡見て自分の表情研究してること、あまりないだろう、って。

うーん、だって





「…鏡、怖くない？」

「なに子供みたいなこと言ってんだ」

「怖いよ。









……全部、嘘みたいで。」

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