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ジミンside
「最後の一回は何を見たの？」
泣きじゃくる親友の手を握ってやると、ゆっくり、口を開いた
「…ｯ、この世界の、こと、」
「？」
「…悪魔が、…この世界を、…現実世界を、食らい尽くそうとしてる、」
「え、＿＿＿＿」
「生贄を喰らうだけじゃなくて、…あっちの世界を飲み込もうとしてるの」
「ど、どういうこと？」
「…Aちゃんが、危ない、」
「っ、！！？」
「あいつは、…っ、その、だから、えっと、」
「うん」
「Aちゃんと身も心も一体になることで、この世界を牛耳ろうとしてる、っ。だから、」
「ｯそれって、つまり＿＿＿」
「こっちの世界に、どうしてもAちゃんをおびき寄せたいんだ、悪魔は…っ」
合点がいった。
どうしてテヒョンがグガとAちゃんを突き飛ばしたのか。どうして自分が残ったのか。
「僕が、守るんだ、二人を
Aちゃんはあいつになんか渡さないし、ヒョンだって渡さない…っ」
“僕が話をした”
「え？」
「僕にどうして悪魔が記憶を見せたと思う？Aちゃんをおびき寄せるためだよ。」
「な、」
「だから僕は、あいつが彼女に手を出さない約束に “彼女に関わる記憶の一切を放棄する” って、いったんだ」
「放棄する、って…そんな」
「今から僕らは記憶が消える。彼女に関する記憶が。でも安心して。僕は必ず思い出すよ。だって大好きだもん、Aちゃんのこと。」
「思い出すったって、そんな…」
「ねぇ、知ってる？古代の人たちって、何で言葉を伝えてたか」
テヒョンが小さな石を拾って、ニコッと笑った
「…これ。」
こうして、
「…ほら！」
壁の煉瓦に、刻まれた文字
「ジミナ、僕の親友、
「ｯ、テヒョンイ…！！」
ぎゅうっと抱きつく。ああ、テヒョンの匂い。
「愛してるよ、僕も。」
「うん、」
「愛してる、僕の親友」
「うん。」
「愛してる、僕の双子。」
「うん」
「…これで、Aちゃんとの思い出を、ここに残しておくの。絶対、忘れないから」
「それに僕たちの細胞に刻まれた思い出は、消えることはないよ」
「うん」
それからヒョンたちと一緒に思い出を書き記した
忘れないよ、Aちゃん、たとえ記憶を奪われても、僕は覚えている、君の声を
そうして僕らは、うつらうつらとして、目を覚ました
そのときには、"彼女" の声も、名前も、何もかも、忘れていた
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mila.(プロフ) - カホシさん» カホシさんコメントありがとうございます！ちょっと変わった世界観でしたけど楽しんでもらえたなら嬉しいです！ (2021年3月28日 20時) (
レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
カホシ - こんなにお話にハマったのは初めてです！これに出会えて良かったです!! (2021年3月27日 18時) (レス) id: f18e6e17b1 (このIDを非表示/違反報告)
_tunputo_(プロフ) - 処女作でこんなに複雑で作り込まれたお話が書けるなんてすごすぎます……一気に読んでしまいました……。世界観に引き込まれて没頭してしまいました。（笑）これ、ドラマになったらいいのに。なんて思ったり。他の作品も全て好きです。これからも更新楽しみにしてます。 (2020年11月27日 0時) (レス) id: 993cb3d94d (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - カナタさん» わあ、嬉しいです！もう一つの方も、ちょっとずつですが更新頑張りますので、楽しみにしていただけると嬉しいです(^^)最後までご愛読ありがとうございました！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - きょうさん» ありがとうございます！感想嬉しいです！これからも頑張りますね！！ご愛読ありがとうございました！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2019年10月28日 9時
