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ここ、なんだかおかしい…っ
そう感じたのは、階段を上がってしばらくしてから。私はなんだか息苦しくて、テヒョンさんは何度か意識を失った。その度にテヒョンさんは「寝てるように」倒れこむ
何か、自分の何かが、何者かに奪われていってるような感覚に、体が震える
そして
恐れていたことがやって来た
「ｯ、なんで」
「ここまで来て出口、…！？」
道の先、ぼんわりと浮かぶそれ。
どうして、ここまで来たのに…っ！！
そう思って、左手を繋ぐテヒョンさんを見た時だった
「っ、…！！！？」
グラ、と揺れて、テヒョンさんがゆっくり目を閉じる。
＿＿＿＿＿あ、…っ
つないでいた手がするりと離れる感覚に、ギュッと握り返そうとしたが、テヒョンさんの手が呆気なく離れていった。
ぼう、っと立ちすくむテヒョンさん。
ブルーの髪が、滴る水で濡れていた。俯いているせいで、顔が見えない。長い前髪から覗く唇が、真っ青になっていくのが見えて
「っ、テヒョンさん、！！」
「待って、！！ヒョンの様子がおかしい。」
グクくんに伸ばした手を掴まれる
「ｯ、…？？！」
テヒョンさんが、ぼんやりと霞んでいく。
「ｯ、テヒョンさん、！！！」
お願い！顔を上げて！戻って来て！！！
「……A、ちゃん、…っ」
掠れた、テヒョンさんの声。
す、と腕が伸びて来て、そのまま
どん
と出口に突き落とされた
「え、＿＿＿＿＿＿？」
遠くなっていくテヒョンさんに、必死に手を伸ばす。グクくんが、私の体を抱きとめていた
「テヒョンさん…！！！！！！」
力の限り叫ぶと、テヒョンさんが一筋の涙を流しながら、ゆっくり微笑んだ
＿＿＿＿＿『夢でも、覚えてるかな……Aちゃん…』
「っ！！！？」
やだ、
やだ、！！！
「や、ｯ…テヒョンさん…！！！！！」
グクくんに抱き抱えられて、出口のトンネルを駆け抜けていた。
「グクくん、！おろして！！テヒョンさんが！！テヒョンさんを、連れ戻さなきゃ、…！！」
「っ、…」
「ねえ、…嫌だ、…グクくん、ねぇ…！」
涙でもう何も見えなかった。ただグクくんに八つ当たりして。グクくんだって、泣いていた。手が震えていた。そんなの、私の何倍以上も、そうだって、わかってるのに
「クソッ、…」
そう、グクくんが口にしたのと同時に、
眩しい光が差し込んで、
私たちは二人で、現実世界に戻って来ていた。
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mila.(プロフ) - カホシさん» カホシさんコメントありがとうございます！ちょっと変わった世界観でしたけど楽しんでもらえたなら嬉しいです！ (2021年3月28日 20時) (
レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
カホシ - こんなにお話にハマったのは初めてです！これに出会えて良かったです!! (2021年3月27日 18時) (レス) id: f18e6e17b1 (このIDを非表示/違反報告)
_tunputo_(プロフ) - 処女作でこんなに複雑で作り込まれたお話が書けるなんてすごすぎます……一気に読んでしまいました……。世界観に引き込まれて没頭してしまいました。（笑）これ、ドラマになったらいいのに。なんて思ったり。他の作品も全て好きです。これからも更新楽しみにしてます。 (2020年11月27日 0時) (レス) id: 993cb3d94d (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - カナタさん» わあ、嬉しいです！もう一つの方も、ちょっとずつですが更新頑張りますので、楽しみにしていただけると嬉しいです(^^)最後までご愛読ありがとうございました！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - きょうさん» ありがとうございます！感想嬉しいです！これからも頑張りますね！！ご愛読ありがとうございました！ (2019年11月7日 20時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2019年10月28日 9時
