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あれから一週間後、
「今日は一緒に回ろう」
と誘われたわけでもなかったけど、ベッドに入る時も、夢の世界に来てからもずっとグクくんが隣にいて
「…今日、なんか嫌な予感がする、」
とグクくんが眉を顰めていた。
「Aは何も感じない?」
「……気になったのは、空の色と、あと、風の強さ…だけど」
いつになく薄気味悪い空と、びゅうっと吹き抜ける風に綺麗なグクくんの髪がわさわさ揺れている
その横顔が綺麗だなーって見つめてたら、
「あっ、…!」
どわっと強烈な風が吹いて軽く数歩飛ばされた。
ギュッて目を瞑ったら
「っ、!!」
「
グッとお腹にグクくんの逞しい腕が回って引き寄せられる。あ、グクくん、あったかい…
「っ、あー、本当、焦った、…」
勘弁して、って。肩に顔を押しつけられた
「ご、ごめんね…っ」
「ハァ……、飛んでくなんて笑えないからずっと俺の手離さないでよ?」
「っ、痛……ちょっと強すぎないかな、グクくん…っ」
「このくらい痛くしないとA学習しなさそうだから。ていうかちょっとは俺の気持ちも察してよね」
それにしても風で顔に髪が張り付く。繋がれてない方の手でいちいち払ってたら
「…ゴム、ないの?」
「…ある、けど、…手、繋いでるから…」
「貸して」
するりと長い髪に指を通して、器用に結んでくれる
「ありがとう、……ッ??!」
お礼を言おうとしたら、首筋に柔らかいものを感じて咄嗟に振り返る
い、今の…っ!
「…ほら。行くよ」
してやったりというように笑ってる。カァッと顔が熱くなって俯いたら、また楽しそうに笑われた
首にキスなんて、初めてされた、なんて言えない。
ポーッとする頭で歩いていたら
「…やっぱり今日変だ。」
ってグクくんが突然立ち止まった。視線を追えば
「え、もう?」
出口が現れている。
「…仕方ない。戻らなきゃ」
グクくんは手を繋ぎ直して、屈託ない笑顔をむけた
「一緒に走ろう、A」
「…うん、っ」
にま、って笑うグクくんの顔。すっごく可愛い。
ああ、このまま
貴方が笑う世界が永遠に続いて
貴方の大事な人たちがいない世界なんて
本当に夢であればいいのに____
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます! (2019年12月19日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます!!楽しく読ませて頂いてます! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます!2編も楽しみにしていただけると嬉しいです!頑張ります! (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです!引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります!ご愛読ありがとうございます! (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年10月11日 23時