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ジミンside
「行こう、Aちゃん」
夢の世界に来てくれたAちゃんにそう微笑みかけたら、ジョングガがムッとした顔をした。
「次は僕と回ってくれるって約束したでしょ?」
彼女は申し訳なさそうにグガを見上げると、「…トンネルで転けて帰ってこれなかったら許さないからね」って。ウリマンネは不器用だなあ(笑)「行かないで」って一言いえばいいのに。
すると
「…Aちゃん、」
ジニヒョンが浮かない顔をして彼女を呼び止めた。
「…僕の言ったこと、忘れないでね」
「……はい。」
___??
この前二人の時に何かあったんだろうっていうのはわかってるけど。ヒョンは教えてくれないし、あのあとユンギヒョンもジニヒョンに詰め寄って何か言ってた。なんだったんだろう。
「さ、今日はどこ行こうかな」
右手をそっと左手に合わせて恋人つなぎにすると、
「…あれ、」
Aちゃんの白くて細い手首にパッと目がいって、
「これ、テヒョナでしょ(笑)可哀想に、痛かった?」
薄ら刻まれている噛み跡。僕のだと主張するそれ。
「っえ」
「んふふ、わかるよ。テヒョナには僕もよく噛まれるし、」
愛しいものを噛みたくなるあいつの癖。
「そっかぁ、じゃあ僕は____」
「いッ、?!」
テヒョナが噛んだその上からちゅっと吸い付くと、赤い花が咲いた。
真っ白なそこに生まれた赤色が、僕をじわじわと満たしていく。
「ジミンさんっ…」
「痛かった?」
「…ッちょっとだけ、」
ごめんね、って優しく微笑むと、きゅっと唇をきつく結ぶだけ。
___やっぱり、Aちゃんてちょっと不思議
抵抗という言葉を知らないかのように、全てを受け入れてくれちゃう。
暫く歩くとAちゃんが徐に口を開いた
「…ジミンさん、聞きたいことがあります、」
「なぁに?」
「…… “地下に続く階段” は、ここには一体いくつあるんでしょう?」
その問いに、僕はすっと笑顔が引いていくのを感じた
「…どうして?」
「古い煉瓦でできたあの階段……覚えてる限りで5つ…。合ってますか?」
「…残念、正解は”7つ”だよ。」
「7つ…」
「なるほどね、もうそこまでたどり着いてるんだ、さすが。偉いね」
僕なんか2年もかかったのに、
「…それじゃあ、ご褒美に僕からヒントあげちゃおうかな」
「ヒント、?」
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます! (2019年12月19日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます!!楽しく読ませて頂いてます! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます!2編も楽しみにしていただけると嬉しいです!頑張ります! (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです!引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります!ご愛読ありがとうございます! (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年10月11日 23時