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「ッ、ま、待って…!」
歩き出そうとした時、グクくんが手を伸ばした
「一人でトンネル抜けられるッ?いつ出口が出てくるかわかんないし、僕と一緒にいた方が…っ」
おぶってあげられるし、とビー玉みたいな目。う…綺麗すぎる。
なんだか断りづらくって返答に困っていると
「…お前が思ってるほど、こいつ足遅くないぞ」
「え、」
「な。」
ユンギさんが「運動部だったんだろ?」と笑いかけた
「……一応、」
「「「えええ、!!?」」」
「…今年一の衝撃…」
とソクジンさん。
「…でも別に強豪校とかじゃなかったから…ッ。それに大学入って運動しなくなっちゃったし、」
「走り方のコツは掴んできただろ?この前は結構余裕で走り切れてた」
もうココへ来るようになって1ヶ月は経つから何度もトンネルは潜り抜けている
最近はグクくんに抱えられなくても走り切れるようになってたけど、なぜか心配みたいで最後の方で彼が必ず抱えてくれるのだった
「確かに感はいいなって思ってたんだよね。細いけど体幹しっかりしてるし、」
とテヒョンさん。
「Aちゃんがスポーツとは…ちょっと想像つかないけど」とナムジュンさんが笑ってた
「っ、でも、!」
「大丈夫だ、二人の後ろから俺がついてく。少し離れておくからAも気にせずヒョンと話せばいい」
グクくんは最後まで納得いかなそうにしてたけど、結局ユンギさんに押し切られてジミンさんと回るようだった
「いやぁ、それにしても可愛い女の子に “オッパ” って呼ばれるのがこんなに嬉しいこととは思わなかったよ」
とソクジンさんが笑う。私は、凄く、凄く素敵な人だなって。この世界に来るようになってからしみじみ感じていた
年下の人と一緒に変なこともするし、特徴的な笑い声を上げるし、黙ってれば本当に美青年だと笑うグクくんにちょっと同意するけど…(笑)でもそうやっていつも変わらずにいて、さりげなく気遣ってくれる懐の深さみたいなのが、私は心地よかった
「ふふ、私も初めて呼びました」
「え、本当?だって恋人とか…」
「いたことはあるんですけど、私凄く不器用で…すぐ浮気されちゃったんです、」
オッパと呼んで上手に甘えられたらよかったんだと思う。でもどうしていいのかわかんなかった、
「ソクジンさんみたいなお兄さんがいたら、毎日楽しい気がします」
そう言うと、途端に顔を真っ赤にして、それを誤魔化すようにまた親父ギャグを言っていた。
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです!楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます! (2019年12月19日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます!!楽しく読ませて頂いてます! (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます!2編も楽しみにしていただけると嬉しいです!頑張ります! (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです!引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります!ご愛読ありがとうございます! (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mila. | 作成日時:2019年10月11日 23時