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ジョングクside
酔っ払いから若者まで集う大衆居酒屋に足を踏み入れ、ある女性の姿を探すために店内を見渡す。
騒がしい店内で静かに一人で食事をするその子の姿を見つけるのに時間はそう掛からなかった。
＿＿＿＿＿あの子だ。
大きく息を吐いて深呼吸をする。
人見知りだ何だと言ってる場合ではない。
僕は傍まで近寄ると、後ろから彼女をそっと見遣った。長くて緩やかなウェービーな髪が背中に垂れている。
＿＿＿＿＿勉強してるのか？
テーブルに並ぶ食事と、その横に積み上げられた資料の数々。
ナムジュニヒョンと同じ大学なだけあって、どうやらとても頭の良い人みたいだ。
声をかけると僕を見上げて怪訝な顔をした。初対面の人だし、その上女性だし、僕だって本当ならしたくないのに、と思いながら
「…”悪魔”に連れ去られたんです。」
そう言えば、ぽかんと小さく口を開けて目を瞬かせた。
「な、んの冗談を？」
「一緒に来て貰えばわかります。時間がもったいないので、その道中でお話してもいいですか？」
「……え、っと。」
大困惑の彼女に、僕は頭を下げる。
「…ヒョンたちが、…僕の大事な、ヒョンたちを、…っ、これ以上奪われたくないんです、」
「え？」
「僕と一緒に夢の世界に来ていただけませんか…っ」
「…夢？」
「お願いしますっ、」
貴方が、最後の頼りなんだ、と手の中にある小さな紙切れを握りしめた。
＿＿＿＿＿”…ヒョン、？”
昨日まで笑ってたヒョンがいない。朝ベッドから起き上がると、部屋の中は空っぽだった。
“ヒョン！ヒョン…！！どこに行ったんですか！？ヒョン！！”
はっ、はっ、と息を切らせながら家中を探し回って、僕は項垂れる。居ない。ヒョンが居ない。また一人、消えた。
つう、と涙が頬に伝って、僕は全身の力が一気に抜けたのか膝から崩れ落ちた。その瞬間、ふと目に入ったのはヒョンの日記帳だった。
“…っ、？”
＿＿＿＿Aなら。きっとAなら、ホソガのことも…
“っホソギヒョン？”
ナムジュニヒョンの日記帳に記されたその名前の女性。
僕はそのページを千切ってポケットに突っ込むと家を飛び出した。
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mila.(プロフ) - BeBeさん» BeBeさん、コメントありがとうございます。とっても嬉しいです！楽しんでいただけて書いて良かったなあと思います(笑) 本当にありがとうございます！ (2019年12月19日 22時) (
レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - ファンタジーものは好みではないのに、この作品はすごく面白くて、お話の中に入り込んでしまいます！！楽しく読ませて頂いてます！ (2019年12月17日 14時) (レス) id: e6e2536d94 (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - キムさん» わあ、とっても嬉しいお言葉ありがとうございます！2編も楽しみにしていただけると嬉しいです！頑張ります！ (2019年10月29日 22時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
キム(プロフ) - mila.さんのもう一つの作品を読んでこれを読み始めました。世界観がとても好きでわかりそうでわからないこの物語の内容がとても好きです。読んでたらなぜか自然と涙が出て来ました。作者さんが書く文章や言葉の選びはとても心に響きます。これから2編読んで来ます。 (2019年10月28日 18時) (レス) id: dd11077a9f (このIDを非表示/違反報告)
mila.(プロフ) - さなさん» ご感想、とても嬉しいです！引き続きハラハラドキドキするようなお話が書けるように頑張ります！ご愛読ありがとうございます！ (2019年10月24日 12時) (レス) id: 488172c492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mila.
| 作成日時：2019年10月11日 23時
