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八十四、ゴーカートじゃないンだよ!? ページ8

「行くよっ!」
ハンドルを握り、アクセルを踏む。
「安全運転でお願いします・・・」
「ところで、この車は保険と弁護士特約には入っている?」
右折する。
保険は勿論任意も入っているが、弁護士はどうだッただろうと考える。
「まぁいいや。少なからず保険は入ってる筈だろうし」
ミラー越しに潤一郎と目が合えばフッと微笑む。
「なぁに、少し寝ていれば、あっという間に探偵社に着くからね」
その自信はどこからくるのだろうか。
潤一郎は不安で仕方がない。



「ねぇ、速度出し過ぎじゃない?」
「緊急事態だからね!」
「ここ高速じゃないンだよ?分かってる?」
「承知してる、さ」
ハンドルを回す。
メーターの針が右へグインと動く。
時間帯が遅い所為もあって周りに車がいないことに感謝している。心から。



「ちょおおおおお、前見て!!崖、崖、がけぇえええええー!」
潤一郎が車内で叫ぶ。怪我とかそれどころじゃない。
「緊急事態だからねっ!」
さっきまではまだよかった。高速並みの速度を出していたが百歩、否一万歩譲って。
ショートカットと称して崖を飛び越えようとしている。
安全運転の「あ」の字もない。
何回も止めるように説得(と言うなの絶叫を)しているのだが、Aは止まる気はない。
まだ、Aや潤一郎が物体を浮かせられる異能力者ならいいのだが、生憎二人とも隠密に長けた能力。
これは死んだと潤一郎は悟る。
目から涙が溢れてくる。
生きて探偵社に着けないと本気で思う。



・・・奇跡的に生きている。
命があるって素晴らしい!
今なら「貴方は神を信じますかぁ?」と言った怪しげな宗教に勧誘されたら、入ってしまいそうなほど、神に感謝している。
安心してるのも束の間。前に車両が居るにも関わらず、速度を落とさないA。
此の侭だと突っ込んでしまう。
避けようにも対向車線から車が来ている。
「Aちゃん!前見て前!止まって!!」
「行ける!今の私なら!!」
グインッと強く踏む。
Aはブレーキという機能を知らないのか。
「行けるわけないでしょおおお!!ストップ!ストップ!なぁあああ――!!」
・・・もう、嫌・・・。



「さぁ、着いたよ!」
ふぅっと一仕事したと言わんばかりに額を拭う。
汗一つ掻いていない癖に。
後ろを見ると潤一郎はグロッキーになっていた。
ゴーカートより酷い。気を抜いたら「オロロロ」と吐いてしまいそうだ。
これは車酔いでない。断じて無い。
「ぜ、絶対に・・・二度と運転させるか・・・」
ボフッと後部座席で倒れた。

忘年会→←八十三、緊急事態だからしょうがない



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時

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