赤ずきん に ページ3
「遅いなぁ」
おじいさんは、赤ずきんを待っていました。
少し前に連絡があったのですが、まだ来ません。
チラチラ窓から外を覗きます。
「はッ、若しかしてナオミに何かあったンじゃ・・・」
おじいさんは、孫の赤ずきんが大好きです。
目に入れても痛くない程に。
若し、赤ずきんに何かあったら、この世界は、お母さんとおじいさんで火の海になってしまいます。
*
「あら?どっちらでしたっけ?」
分かれ道、右が左か判らなくなってしましました。
「おじいさんの家は右じゃない?」
何処からか声が聞こえました。
「右・・・左にしましょう」
不審に思い、声とは逆の道を歩きます。
声はクククッと小さく笑いました。
*
一寸前のことです。
「前回は家に乗り込んだら、酷い目に遭ったから、ダミーの家を用意した」
前回、赤い着物の女の子を狙っていました。
おばあさんに半殺し遭い、ボロボロで逃げだした。
先回りした筈なのに、遭遇してしまい瀕死の状態になったことがあったのです。
今回は失敗しないように家まで作りました。
もっと別のことをすればいいのに残念ですね。
*
赤ずきんは進みます。
久しぶりに行くので、不安が一杯です。
さっきの道やはり、右の方がよかったかしらと呟きました。
ジャッリっと地面を踏みつけます。
「あッ」
赤い屋根。こじんまりとした家が見えました。
ポケットから紙を取り出しました。
其処には、おじいさんの家の特徴が書かれていました。
「赤い屋根。大きくない家。・・・此処ですわね」
アバウト過ぎて、大抵の家に当てはまりそうです。
赤ずきんは、ドアをノックしました。
返事がありません。
ドアノブを捻ると飽きました。
おじいさんこんなに不用心でしたっけ?
疑問が浮かびました。
「おじいさん」
呼んでみても返事はありません。
返事が出来ない程に具合が悪いみたいです。
*
「遅い。幾らなんでも遅い」
ゴホゴホ咳き込みながら呟きます。
あんまりに遅いので、おじいさんはベッドから出て、
お母さんに連絡をしました。
*
「は?まだ、来てない?」
会議も終盤の時に電話が掛かってきました。
鬱陶しそうに、画面をみたら、おじいさんからでした。
すぐさま、出ました。
上司からマナーがうんたらは、無視しました。
「うん、了解すぐ見つける」
電話を切り、上司を睨みつけます。
「ここらで、一番騒ぎを起こしている狼の軍団は?」
*
「おじいさん、此処ですの?」
やっと、おじいさんの自室を見つけました。
ベッドには大きな膨らみが、寝ているのでしょうか。
「赤ずきんかい?」
声が何時もと大分違う気がしました。
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麗(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時