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八十九、大差、小差、一歳差 ページ19

「はい、あーん」
スプーンでアイスを掬い、潤一郎に差し出す。
潤一郎も嫌がらず、口を開けて受け入れる。
普通にイチャコラしてるカップル。
飲み込んだのを確認して、彼女はまた、潤一郎に差し出す。
「・・・Aちゃん。流石にもういらないンだけど・・・」
Aが掬って潤一郎が食べるという行為が何十回も行われている。
基本的にAはお残しが嫌いで、頼んだ物は必ず食べきる主義なのだが、
流石にこの量は堪えたのだろう。
だから、残ったアイスを潤一郎に与えている。
「もう一口頑張って欲しい・・・」
スッとポケットから二つ折りのカードを取り出す。
捲ると最後の一列を抜いてハンコが埋まっていた。
そして、締め切りは今日までだった。
「このアイスを食べきればスタンプが溜まるのだよ!」
潤一郎は納得した。いつもの喫茶店じゃなく、探偵社から離れたこの喫茶店に連れて来られた理由を。
そして今日はよく食べるAに。
「それで、何が貰えるの?」
よくぞ聞いてくれたと言わんばかりに目を煌めかせるA。
「この喫茶店オリジナルティーバッグセットを貰えるのだよ!!
ってなわけではい!」
「ンぐッ!?」
最後の一口を一気に突っ込まれた。



「ありがとうね!潤一郎君」
ホクホクした表情でAは紙袋を抱きしめる。
喫茶店から出て、探偵社に向かう。
「本当にいいの?奢ッて貰ッちゃッて」
お会計は全てAが払ったのだ。
ポイント集めのお礼だと言った。
多分そこそこの値段だろう。
「別にいいのだよ。大した値段ではないから、気にしないでおくれ」
サラッと言ってのける。
男としての何かにひびが入る気がした。
「それに、私は君よりお姉さんだからね!」
「ボクと一歳しか変わらない癖に」
口を尖らせる。
Aはムフッと大人びた笑みを浮かべる。
足を止め、ゆっくりと顔を潤一郎に近づける。
思わず屈み潤一郎も顔を近づける。
触れるか触れないかのギリギリでピタッと止まり、

「たった一歳差でも大きいのだよ」

と囁いた。
瞬間、鮮やかな紅が渇いた潤一郎の唇を舐めとる。
「へ!?」
突然の事に目を丸くする潤一郎。
熱がじわじわ来る。
「ん〜。ほんのりバニラに味だね〜」
潤一郎から離れフフッと笑う。
「・・・なンか今までに無いくらい接吻(キス)したい気分かも・・・」
「あらあら、珍しい。
でも、ダメだよ」
自分の唇を守るようにバツを作る。
クフフッと小悪魔的に微笑む。
完全にAの手の平で転がされる気がした。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時

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