八十七、仕事が終わったら帰りたい ページ14
―只今ぁ!どう楽しめた?
頭の中に明るい声が響く。
「・・・疲れたよ」
―そうなの?前の人は喜んでたけど・・・。
まぁ、個人差があるよね〜。
何だかこの声だけで疲れてきた。
「今まで何処に行ッてたの?」
―先輩の所。何ていうか、苦情処理?してたんだ。
「先輩ッて・・同じような存在何人もいるの?」
―いるいる〜。さっきの先輩は魔法少女的な力を与えるタイプ。
なんか心当たりがある。
―僕みたいに一日限定じゃなくて、ちょっと長いんだよね〜。でも先輩古いからダッサイんだよね。
「それって『モエモエキューン』みたいな呪文?」
―おぉ!正解!!よく分かったね。
まぁ、その先輩が与える力でよくモノが壊れるだよね。
やっぱり、あの時のAちゃんだ。
呪文に反して威力が強いハートビーム。
「大変だったよ・・・。職場が半壊したンだから・・・」
風通しが暫くよかった。
―あぁ、・・・それはご愁傷様だね。
*
仕事がいつもより少し早く終わったので、買い物に来ていた。
半額モノが多くあって助かる。
「あっ、一円足りない。潤一郎君ある?」
うんと頷き財布から一円を取り出す。
「可愛いカップルだね。今日はお泊りかい?」
レジのおばちゃんが微笑ましく笑いながら声を声を掛けてきた。
「・・そうですね。お泊りです」
Aは少し考えてニッコリ答えた。
全く聞いてないンだけど。
「お兄さん頑張ってね!」
何時の間にか話が進んでいた。
頑張るって何!?
*
なんで仕事が終わったのに派遣されるのだろう。
丁度近くで事件が起こったらしい。
人使いが荒い。だからブラックなのだ。
取り合えずスーパーの袋を持って駆け付ける。
とっても恰好悪い・・・。
*
出会い頭早々に笑われている。
無理もない、行き成りスーパーの袋をぶる下げた二人が突撃したきたのだから。
ゲラゲラと下品な笑いが止まらない。
一寸笑い過ぎじゃないか。
「おたくラ。葱でも持って戦うわけぇ?」
小馬鹿にしながら挑発してくる。
「えぇ、そうよ」
思わず「ホームラン」と言ってしまいたい程の良い音が響いた。
男が倒れた後ろに買ったばっかりの大根を持ち、面倒くさそうな顔をしたAがいる。
そのまま男を踏みつぶしような程冷たい目をしていた。
「さっきからうっさいのよ。
潤一郎君、さっさと終わらして国木田さんの所に文句言いに行こうか」
Aの影が揺らめいた。
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麗(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時