赤ずきん ページ2
昔、昔でもないとあるところに、赤ずきんという可憐な少女がいました。
「母様、何ですの?」
手招きされ、お母さんのもとへ駆け寄る。
吸い込まれそうな闇色の髪。雪の様に白い肌の持ち主の彼女。
今も、可愛らしいが、将来は別嬪さんになるとお母さんは確信していました。
そして、近所に言いふらしてました。
「ナオミちゃん、悪いんだけど、おじいさんにお見舞いに行ってくれないかい?」
少女の本名はナオミですが、外出時にいつも赤い頭巾を被るので赤ずきんと呼ばれているのです。
「一人で、森に行かせたくないんだけどね・・・」
おじいさんは森の奥に住んでいます。
最近、体調を崩したらしく、寝込んでいました。
「あぁ、なんで、お見舞いの日に会議が入るんだろうか」
嘆く。
「大丈夫ですわ。一人でも行けますわ」
「ありがとう。でも、森には悪い狼がいるって噂があるし、心配だわ」
はぁーっと頬に手を当て、溜息を吐きます。
「もし、何かあったら・・・」
母は立ち上がり、クリーム色の壁をダンッと強く叩きました。
勢いよく下りて来たボードには大量の銃が張り付いています。
銃を掴み、微笑みました。
「ミートにしてやるからね」
お母さんは猟師だったのです。
*
お母さんから、バスケットを貰い、おじいさん家へ向かう赤ずきん。
おじいさんへのお土産にしようとお花畑へ寄りました。
「やぁ、お嬢さん。こんな辺鄙な所で如何したのかな?」
包帯だらけの人に会いました。
「あら、太宰さんこそ如何したんですか?会議があると母様が言ってましたわよ」
包帯グルグルさんは知り合いでした。
それも、お母さんの先輩でした。
「おや、赤ずきんちゃんじゃないか。私は、新しい自 殺方を見つけていたのだよ」
なんとも子供の教育に悪いお方だ。
「君に手を出すと、後ろから刺されそうだからね」
「ウフフ」
指されても生き返りそうですねとは言わないのです。
*
お花を摘み、包帯さんと別れて先へ進みます。
おじいさんの家までもう少しです。
「オイ、あれがターゲットか?」
ヒソヒソと怪しい集団が囁いていました。
「椿とかいう奴の娘だ」
「脅しにピッタリだな」
はぐれ集団もとい、狼たちでした。
赤ずきんはそんな事全く気づきません。
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麗(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時