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忘年会 二杯 ページ10

「―――――5番です!!」
堂々と「5」と書かれた割り箸を掲げる。
心なしかガッツポーズしてないか・・・?
「じゃあ、やってもらいましょう!」
ハイっと手渡される長方形。
「金色・・・ライチじゃん」
一寸豪華感を出しているのがムカつく。
仕方なく潤一郎の方へ歩く。
「えへへへ」
何時もより目じりを下げてニコニコと笑う潤一郎。
横に座れば、もっとニコニコする。
そんなに嬉しかったのか?
「絶対酔ってるでしょ・・・」
レアだとか思ったり、一寸可愛いなんて思ったり。
「ハ〇チュウかしてー」
「あっうん」
渡すとペリっと包装紙を剥がし、舌に乗せる。
チロリと紅い舌に白いハイチュ〇、何だか扇情的。
ぼーっと眺めているとガッといきなり頭を掴まれる。
「!?」

ちゅーーーーーっ。

「んっ!?」
酒の匂いが強い。
クラクラ眩暈がする。脳が溶けそう。
まろやかな甘みと綿菓子のような甘さ。
バランスが保てなく、音をたてて後ろに倒れる。
世界が廻る。
潤一郎が頭を支えているのでそこまで痛くないが、びっくりした。
カチリっとお互いの歯が鳴る。
息がっと思ったら、滑らかな肉が口内を浸食してくる。
「んーーーッ」
くっついて絡まって離れて世話しない。
冷たくて硬かったソフトキャンディがじんわり溶けていく。
「あらあら、まぁまぁまぁ」
「若いですねー」
「お前も若いだろう・・・」
「おっぱじめるつもりかい?」
外野の声が遠く聞こえる。
短いようで長い接吻(キス)が音をたてて終わった。
「フフフ、Aちゃん甘いね・・」
自分の唇を舐め、と満足と言わんばかりの満面の笑みを零し、
倒れた。・・・寝てしまったようだ。
はぁはぁっと乱れた息を整える。
唇に手を当てる。きっと顔は赤いだろう。
深呼吸をする。
酒の匂いがする潤一郎を抱え起き上がる。
「・・・太宰さん!潤一郎にあまりお酒を与えないで下さい!!」
キッと太宰を睨みつける。
「えぇーーー、言い掛かりだよー」
「とぼけても無駄ですよ!潤君から日本酒の匂いがプンプンしたンですから!!」
確かに太宰の周りには日本酒の便がゴロゴロ転がってる。
Aはギュッと潤一郎を抱きしめる。
「潤君は、お酒を飲み始めて間もないンですから!
この周囲に迷惑噴出器が!!」
まだ口に甘い味が残っていた。

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 谷崎潤一郎   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 24ページ 空気を纏う祖母に とありますが話の流れ敵には 祖父 ではないでしょうか? (2021年4月23日 14時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» おめでとうございます。今年ものっぺり更新ですがよろしくお願いします。 (2019年1月2日 16時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - あけましておめでとうございます!今年も夢主可愛いですね! (2019年1月2日 8時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
ドットコム(プロフ) - 柚湯さん» 乗り物って自転車以外酔っちゃいますw。コーヒーカップとかヤバイです。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: e6a479853a (このIDを非表示/違反報告)
柚湯(プロフ) - ドットコムさん» 私も運転が激しいのは・・・。吐きますね。 (2018年10月20日 22時) (レス) id: c8fb7ba279 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柚湯 | 作成日時:2018年3月26日 23時

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