#4 ページ8
ゴンドラは強風で大きく揺れ、私は春翔くんに抱きついていた。
「あっ、……ごめん」
「……大丈夫? もうすぐで1周するね」
春翔くんは、降りるまで私の手を握っていた。観覧車を降りた後は桃花に渡すおみやげと自分達のおみやげを買い、遊園地を出る。
「あっ、琉奈ちゃん家まで送るよ。もう暗いし」
「……うん、ありがと! ……あのさ、さっきの質問の事なんだけど――」
「あぁっ、それね! 気にしなくていーよ!! そうだ、メアド交換しよ!」
「? うん」
私は肩に提げていた薄ピンク色のバッグからスマホを取り出し、メアドを交換した。
「…………あっ、着いたよ」
「ここが琉奈ちゃんの家!? 結構大きいね!」
「そうかな? ……じゃあ、また学校でね!」
「うん! またね、琉奈ちゃん」
私は家の前で春翔くんを見えなくなるまで見送り、家に入った。……それから数日後。
「そう言えば土曜日のデート、何かハプニングあった?」
中庭で桃花と弁当を食べていると、瞳を輝かせながら尋ねてきた。
だから、デートじゃないってば……。
「特になかっ……」
『なかった』と言おうとした瞬間、春翔くんに聞かれた事と間接キスを思い出した。
「……あるの? あるのね!? 話しなさい琉奈!!」
私は桃花に弁当を取られ、正直にその事を話した。
「へー、間接キス……絶っ対好きじゃん!! たぶんその質問は意識してもらうためだと思うよ」
意識かぁ……私、恋した事ないからよく分からないや……。
「琉奈っ、春翔にドキッ! とかキュン! とかした事はある?」
ドキッ……キュンッ……??
「春翔くんにいいお嫁さんになれるって言われた時と突然後ろから飛びつかれた時、春翔くんの私服見た時と間接キスした時、……真剣な瞳で見つめられた時とか」
「それ絶対恋でしょ!! 私応援してるから! ねっ」
「えっ!? ちょ、……桃花!?」
そう言って桃花は走っていってしまった。
これって恋、……なの?とにかく、授業始まっちゃうから早く戻ろう。
私は弁当を片手に教室に向かったのだった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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作者名:天ノ川夜月 | 作成日時:2016年7月22日 21時